キーワードは「25年」?
アメリカのワシントンD.C.にある「Moto2インポーツ」は、非アメリカ市場向けの2ストローク公道車車の輸入販売を手がけるというユニークな会社です。同社が輸入した2ストローク公道車は、彼らの手により完全な状態に仕上げられ販売されるとのことですが、ちゃんと正しいVINナンバー付きの書類が付くとのことです。
書類が付く・・・ということはつまり、ちゃんとアメリカでも公道車として登録できることを意味します。Moto2インポーツは自分たちが輸入した2ストローク車は、簡単に登録でき、保険もかけられ、ライセンスプレートがつくことをウリとしています(カリフォルニア州の制限はつきます)。
え!! 今、アメリカは2ストローク車を公道登録できんの!? と素直を驚いてしまいましたが、同社のティム・ホープさんの説明によると車齢が25年以上経った車両に関しては、2ストロークでもアメリカの公道を走れる車両として登録ができるそうです。DOT(米国運輸省)とEPA(同環境保護庁)に提出する複雑な書類作りを代行することも、Moto2インポーツのビジネスのウリとなっているそうです。
日本の'80年代&'90年代レーサーレプリカ"資源"が枯渇する・・・!?
なおMoto2インポーツが得意とするのは、ホンダNSR250R、スズキRGV-Γ250、ヤマハTZR250Rなどの2ストローク250ccのレーサーレプリカとのことですが、ホンダVFR400RやCBR250RRなどの4ストロークのレーサーレプリカも取り扱っています。
Moto2インポーツで「合法」的に輸入された2ストローク250ccレーサーレプリカのお値段は、おおよそ$6,000〜10,000(約65万5,000〜109万2,500円)とのこと。当時も人気ナンバー1だったホンダNSR250Rなどは、今でも日本で人気が高く値段が高騰傾向にありますけど、もしアメリカ人があの時代の2ストローク250ccレーサーレプリカの面白さに目覚めてしまったら・・・日本の中古市場にあるそれらのモデルが枯渇してしまうのでは・・・と心配する方もいるのではないでしょうか?
もっともすでに1990年代から、日本国内の中古車輸出業者たちと海外のグレーインポーター(並行車輸入業者)たちは、せっせとビジネスのために国外に高品質な中古車を輸出入してましたから、資源枯渇に関しては何を今更な心配ではありますけどね・・・。
ただ、この分野への注目がアメリカにおいても高まると、市場相場に影響を及ぼすこともあるかもしれません(高騰傾向の加速など)。それはこれから、これらのモデルを入手したいと考えるオーナー予備軍には、ちょっと気になるハナシかもしれませんね・・・。