年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、リュック・ベッソン監督のSF大作『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』。超能力を持った少年の悲劇を描いた『クロニコル』で一気に知名度を上げたデイン・デハーンと、大人気モデルのカーラ・デルヴィーニュが主演。
クライブ・オーウェン、イーサン・ホークなどの超一流俳優らに加え、人気歌手のリアーナが共演している。

あらすじ:

主人公のヴァレリアン(デイン・デハーン)は銀河政府のエージェントとして働く。彼は相棒の美女ローレリーヌに夢中で、隙をみては口説くが、ローレリーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)はなかなかなびかない。
そんな2人に新たに下された指令は、巨大宇宙ステーション”千の惑星都市”(アルファ)を救えというもの。”アルファ”は多様な種族が独自の文明を築き上げる複合都市だが、謎の放射能に侵され始めており、残された時間はわずか10時間だというのだ。

ヴァレリアンたちが到着してすぐに、対策を講じるために各種族のリーダーたちが集結した会議が催されるが、そのとき、30年前に滅亡した惑星パールの住人たちが会議に乱入し、アルファの司令官(クライブ・オーウェン)を拉致する・・・。

果たして彼らの目的は?ヴァレリアンとローレリーヌはアルファを救うことはできるのか?

美男美女共演のSF大作。主演のデイン・デハーンは持ち味の暗さを消して陽気なチャラ男ぶりを発揮

主人公のデイン・デハーンは上述のように、人生に絶望する高校生が突如超能力を得たおかげで暴走していく姿を描いた、SF青春映画の傑作『クロニコル』で主演し、話題となった。若い頃のデカプリオを彷彿させる美貌に加え、ジェームズ・ディーンにも通じる破滅型のニヒルさ(実際に彼はジェームズ・ディーンを演じている)があり、若手俳優の中でも特異なポジションを得ている。

今回の作品では、彼は持ち味のニヒルさを隠し、陽気で有能だが非常にチャラい、イケメンキャラの銀河エージェントを演じているが、正直若干彼の持ち味を殺してしまっているような気がしないでもない。やはり彼は、そこはかとなく漂う暗さや翳をみせたほうが様になる。
とはいえ、激しいアクションを楽しげにこなす彼に、魅力がないわけではない。

ヴァレリアンが恋い焦がれる美女ローレリーヌを演じるのは自由奔放な振る舞いで有名なモデルのカーラ・デルヴィーニュ。スリムでしなやかな肢体を戦闘服で隠した彼女の美しさと、野性的な魅力は一見の価値がある。ヴァレリアンならずとも、目を奪われるのは当然だろう。

正直、プロモーションの段階ではB級映画的な紹介をされていたような気がしたが、アクションもヴィジュアルも一級で、楽しい映画でファミリーでみても安心な娯楽作品になっている。

ちなみに、謎の敵を追うヴァレリアンが協力者を得ようと飛び込んだ見世物小屋で、見事なパフォーマンスをみせてくれるのがリアーナ。次から次へと衣装を変えながらのダンスは見応えある。彼女を見るだけでも本作を見る価値があると思う。

画像: 映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』最終予告|3.30(金)全国公開 www.youtube.com

映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』最終予告|3.30(金)全国公開

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