そうです、あのマントラのデザイナーです!
サシャ・ラキクは、プジョー4輪インテリアのスタイリング担当からデザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、1980年代はMBK-ヤマハのデザイナーとして活躍します。そして自身のサシャ・ラキク・デザインを設立した1994年、ピアッジオのスポーツスクーターのレッドゾーン、そしてビモータ初のロードスターモデルのDB3マントラを手がけるなど、メジャーブランドとのコラボをしています。
サシャ・ラキクはその後1996年、フランスのヴォクサンに招かれ同社の仕事をしますが、その時に作ったブラック・マジックは、今日のオシャレ系カフェ・レーサーのはしり・・・と言えるかもしれませんね。
珍しいアプローチ・・・と思いました
さて、話をホンダCX500カフェレーサーに戻しますが、昨今流行のオシャレ系カフェレーサーは、主に在野のビルダーがそのクリエイティビティを発揮して、盛り上げたムーブメントと言えるでしょう。
そこに、メジャーメーカーで2輪の作品を発表してきたサシャ・ラキクのような人物が、カフェレーサー・ムーブメントの代表的機種のひとつであるCX500を素材に、カフェレーサーを製作して発表するというのは、実に珍しい試みと言えるのではないでしょうか? 例えるなら同人の祭典である「コミケ」に、大手出版社の週間漫画誌に連載していた作家が出展する・・・みたいな?
ともあれ2016年2月、サシャ・ラキクは「ブラックトラック」という2輪ブランドを創立し、その第1弾としてCX500をベースとしたBT-01を発売しています。メジャーなモーターサイクルブランドが、在野の人気ビルダーと組んでコンセプトモデルを発表したり、メーカーメイド・カフェレーサー的製品を開発したりすることはすっかりおなじみになりましたが、彼のビジネスは新しさを感じさせます。
なおブラックトラックは今年第2弾として、トライアンフ・スラクストンRをベースとするBT-02スラクスマンを発表しています。その名が示すとおり、旧ノートンを代表するレーシングモデル、マンクスのスタイリングを、スラクストンに融合させたレトロ系カフェレーサーです。
今後サシャ・ラキクが、カフェレーサーの分野でどのような活躍をするのか・・・注目しましょう!