映画「アベンジャーズ」シリーズの世界観を共有しながらも、SFアクションというより、猟奇殺人鬼を追う孤独な探偵の戦いを描いたハードボイルド作品です。
超人的な力と美貌を持つがゆえに、悪魔に取り憑かれることになる女性の悲劇
ジェシカ・ジョーンズを演じるのはクリステン・リッター。細身で長身の美人さんですが、ちょっとMr.ビーン(ローワン・アトキンソン)に顔立ちが似てますw
彼女は、ジュエルまたはパワーウーマンという通り名のスーパーヒーローでしたが、キルグレイブに洗脳されて人を殺してしまった過去(相手はおなじスーパーヒーローのルーク・ケイジの妻)を持ちます。洗脳が解けたあとも、罪の意識は消えず、鉄パイプを片手で曲げ、車を持ち上げるようなパワーを持ちながら、力を振るうことを躊躇うようになってしまいます。苦しみから逃れるために酒浸りになった彼女はヒーローを引退し、私立探偵になるのです。
キルグレイブは事故に遭い死んだと思われていましたが、突然彼女の前に再び姿を見せます。彼はジェシカを偏愛しており、操るのではなく彼女自身の心を得ようと考えたのです。しかし、人の心を完璧に操れるがゆえにキルグレイプの愛は歪んでおり、ジェシカの周囲の人間たちを不幸にすることは厭わないため、結果的にジェシカをさらに孤独に追い込んでいきます。
ジェシカには幼馴染の親友トリシュや、彼女と同じように超人的パワーを持つ黒人ルーク・ケイジには特別な想いを寄せています。しかし、ギルグレイブのマインドコントロールの力は強大で、彼女は自分の大切な人たちを守る自信がなく、独りでギルグレイブを倒すことを目論見ますが、過去のトラウマを引きずりPTSDに苦しむ彼女の精神状態は常にギリギリです・・・。
強靭なパワーと脆弱な精神のアンバランス。超人的な肉体と、心を操るマインドパワーの戦いというコントラスト。
他のマーベル作品にはない、非常に特殊なストーリーと、異質なダークネス。それが本作の特徴です。だから非常に大人のドラマで、見応えありますよ。
あ、ジェシカはわりとあばずれキャラ(沙村広明さんのヒロインに近いかも。毒舌、皮肉屋で乱暴だけどセクシー)なので、たびたびオトナのエローいシーンがでてきます。それも十分楽しめちゃうのですよ、うっふん。
Netflixオリジナルのマーベルシリーズの凄みを十分味わおう。
本作は2015年の作品ですが、残念ながらシーズン1で終了。人気がなかったのだとは思いませんが・・・・Netflixのマーベル作品では、この「ジェシカ・ジョーンズ」と、彼女の因縁の恋の相手ルークを主人公にした「ルーク・ケイジ」、そしてチベットの崑崙で修行を積み最強のカンフーの使い手となった若者を主人公とした「アイアン・フィスト」、法とスーパーセンスで戦う盲目の戦士「デアデビル」が、近しい世界観をベースにしており、どれも「アベンジャーズ」でエイリアン(異星人)の来襲で痛手を負ったNYのその後を舞台にしています。
四作品をまとめて新たなストーリーを練り上げた「ザ・ディフェンダーズ」というシリーズも用意されており、マーベルファンなら何としても全部観なければ気が済まないでしょう!
(順番的には、ぼくと同じく、「デアデビル」「アイアン・フィスト」「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」の順で見てから「ザ・ディフェンダーズ」に行くのがよろしいかとw)