佐藤浩市主演で、横山秀夫原作の推理小説を映画化。
わずか7日間で幕を閉じた昭和64年。その短期間に起きた児童誘拐事件は、警察の必死の捜査にも関わらず、身代金を奪われたうえに児童も殺害される最悪の結果を迎えた。事件に関わった警察関係者はこの事件を64(ロクヨン)と呼び記憶にとどめていたが、犯人の手がかりもないままに時効を迎えつつあった。事件の担当刑事の一人だった三上(佐藤浩市)は県警の広報官になっていたが、ロクヨンの手口をなぞるような女子高生誘拐事件が起こる・・・。

1週間しかなかった昭和64年。その数日に着想を得た作品

ロクヨンという事件の悲劇は、年端もいかぬ女児が誘拐され殺害されたという恐ろしい結末が、ある特殊な事情によって世間にあまり知られることがなかった、ということにある。

そう、昭和天皇の崩御と、昭和から平成へと元号が変わる「瞬間」と重なってしまったことによって、日本全体が別の悲しみと、それに続く新しい時代を祝う喧騒に掻き消されてしまったことにあるのである。
遺族の無念は晴れることなく、十数年を経てもその慟哭を知る者はほとんどいないままになってしまった。遺族と、犯人と、捜査員たちだけが、そのまま 昭和64年 の1週間に閉じ込めれられてしまったのである。

後悔と慚愧の想いを抱えて生きてきた者たちの清算と過去への決別

金のために幼児を誘拐し、殺害した男。娘を奪い、さらに妻を心労で死なせたその犯人を、声の記憶だけで追い詰めようとする父親。誘拐された児童を死なせ、犯人を取り逃がした悔恨で精神の平衡を乱していった捜査員たち。

それぞれの心の内側に深い傷として刻まれていたロクヨンの記憶。その記憶に科せられた封印が解かれた時、忌まわしい過去が蘇る。

後悔と慚愧の想いを抱えて生きてきた者たちの清算と過去への決別を描いた傑作。

画像: 「64-ロクヨン- 前編/後編」 予告2 youtu.be

「64-ロクヨン- 前編/後編」 予告2

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