リッターバイクを凌駕する新世代の水冷Z誕生 (オートバイ©モーターマガジン社)
Z1の登場から10年を経た1982年の終わり頃、モーターサイクル用としては世界初の4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンのプロトタイプが出来上がる。その排気量は908㏄だった。カワサキがGPZ1100をフラッグシップとしていた事でも解るようにリッタークラスの機種が大勢を占めていたが、908㏄のマシンでそれらに立ち向かうべく努力を重ねていた。この「ニュー・ジェネレーション・スーパースポーツ」のためには、エアロダイナミクスの観点からもフェアリングの形状などを決定する事が非常に重要だったのである。風洞実験が繰り返され、デザインと共に空力特性も改善。最終的なCD値は驚異的とも言える0.33を達成。908㎝3のエンジンは115PSを発生させ、最高速度は240㎞/h以上、0-400m加速は10.976秒という記録を叩きだした。Z1が世に出てから11年目。カワサキは最新の900で再び「世界最速」の座を手にしたのだ。1984年1月、GPZ900Rは全世界で一斉に発売され、北米仕様には「Ninja」というペットネームが与えられた。
Kawasakiが目指した908㏄の排気量でリッターオーバーのビッグバイクに立ち向かう「ニュー・ジェネレーション・スーパースポーツ」作り。徹底したコンパクト化と空力特性の向上という課題を見事クリアして、115馬力を発生するエンジンを搭載したニンジャはゼロヨンで10.976秒を記録し、驚異的な性能と決定的な人気を両方手にしたのです。
カワサキ初の水冷4バルブ4気筒エンジンを搭載。最高速は253㎞ /hをマークし、その動力性能をアピール! 世界的メガヒットとなった。輸出車。
1984年に発表された、初代GPZ900Rから19年。現在でも愛され続けるKawasaki Ninjaの原点がここにはあるのです。