ボルボのクリーンディーゼル車を8カ月間長期テスト(最終回)

(Motor Magazine2016年5月号)

画像: 2016年3月の走行距離=524km。1カ月の平均燃費リッター10.6km。今月は走行距離が550kmにも届かず極端に少なかった。稼働内容も10~20km程度の都市部での使用がほとんどで、さすがに「ボルボのD4」でもこうした使い方だと好燃費をたたき出すことはできないようで、今回の平均燃費は10.6km/ℓと先月から2.3km/ℓ悪化してXC60 D4 SEを長期テスト車両として導入してから最悪の数値となってしまった。それでもこのクラスのSUVとしてはかなりいい燃費だと思っているのだが……。

2016年3月の走行距離=524km。1カ月の平均燃費リッター10.6km。今月は走行距離が550kmにも届かず極端に少なかった。稼働内容も10~20km程度の都市部での使用がほとんどで、さすがに「ボルボのD4」でもこうした使い方だと好燃費をたたき出すことはできないようで、今回の平均燃費は10.6km/ℓと先月から2.3km/ℓ悪化してXC60 D4 SEを長期テスト車両として導入してから最悪の数値となってしまった。それでもこのクラスのSUVとしてはかなりいい燃費だと思っているのだが……。

8カ月間にわたってレポートしているボルボXC60 D4 SE。今月の締め切り時点の走行距離は、約1万1540kmとなっていた。このクルマの魅力は、シートの座り心地が良くて、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール=交通の流れに合わせて、加速や走行、減速、停止までを自動的にコントロールする装備。ボルボの場合は全車速で追従機能があり、さらに設定した速度と車間距離を自動的にキープする機能が付いている)が賢くて、音声コントロールが使いやすいということが挙げられる。

さらに航続可能距離の長さもそう。東京から仙台や大阪あたりまでなら新幹線や飛行機よりもXC60 D4 SEのほうが楽に移動できると思っている。クルマでの長距離移動が多いという人なら、ぜひ「D4」を選んだ方がいい。デメリットをまったく感じないからである。

画像: 手前はこのごろ誌面にちょいちょい登場する昨年加入した大型編集部員の愛車アルファード。バイクを積むようだ。

手前はこのごろ誌面にちょいちょい登場する昨年加入した大型編集部員の愛車アルファード。バイクを積むようだ。

今月は途中で給油もなし! 本当によく走る

たとえば、「エンジン音がうるさい」と思っている人は、ぜひ最新の「D4」に試乗してみてほしい。その静かさに驚くはずだ。「黒い排出ガスが出るんでしょ」と思い違いしている人、それはかなり認識が古い。今は〝クリーンディーゼル〞と呼ばれるぐらい環境にいい。

「力がないから」と思い込んでいる人は、実際にハンドルを握って運転してみてほしい。100mも走らないうちに、その認識が間違っていたことに気付くはずだ。

画像: ウインドウウォッシャーの数回に1回ヘッドライトウオッシャーも噴射。運転しているとはなかなか見られないので新鮮だ。

ウインドウウォッシャーの数回に1回ヘッドライトウオッシャーも噴射。運転しているとはなかなか見られないので新鮮だ。

8カ月で燃料代に3万2000円以上の差も

さてXC60に話を戻す。2009年に日本へ導入され、13年に大幅なマイナーチェンジが施されたXC60は、今がまさに熟成しきった〝旬〞なモデルだと言えるだろう。

世界での販売台数もボルボラインナップの中で一番多く、高い支持を受け続けているのである。そんな熟成モデルに長く乗ることができる機会もそうそうないので、その〝熟れた味〞を噛みしめている今日この頃である。

ところでこんなにべた褒めしたXC60 D4 SEだが、今回でお役御免となる。この企画は、できるかぎり多くのボルボ車に長期間、試乗してその印象をレポートすることも役目のひとつだと思っているからだ。

画像: ポルシェマカンと並べてみた。縦長のテールライトデザインがひと目でボルボだとわかる。

ポルシェマカンと並べてみた。縦長のテールライトデザインがひと目でボルボだとわかる。

そこで今回は、ここまでの総走行距離1万1540kmでガソリン/ディーゼルの燃料代の差を平均燃費リッター11km、燃料の量約1049リットル、ハイオクガソリン価格114円、軽油価格83円で計算してみた。結果は、ガソリン:1049リットル×114円=11万9586円に対しディーゼル:1049リットル×83円=8万7067円となり、その差額は3万2519円。

車両価格が違うため購入時に必要なイニシャルコストは違うが、これならその差もすぐに回収できそうである。またここでは違いをわかりやすくするため両車ともに同じ燃費で計算したが、実燃費は異なるのでこの差はもっと広がると考えていい。なんともd4万歳! である。(文:千葉知充/写真:永元秀和)

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.