【1/100の映画評】強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない。『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』

もし子供がいたら、一緒に見るべきな佳作

『ピーナッツ』といえば空想好きの可愛いビーグル、スヌーピー。
だが、実は主人公はスヌーピーの飼い主であるチャーリー・ブラウンだ。

チャーリーは人柄がよく、面倒見もいいし、誰かを思いやることができる優しい少年だ。ただ、それ以外は平凡で、とりたてて取り柄もない。彼のクラスメイトであるルーシーに「女の子は”成功者”が好き。何事かを成し遂げた男を好きになるのよ」と助言をもらった彼は、恋する少女に誇れる成果を求めて、いろいろチャレンジするのだが、今ひとつうまくいかない。

しかし逆に言えば、彼は誰かを頼るわけでもなく、自ら努力する。取り柄はないけど人はいい、というのは国民的アニメのあのダメ少年とも共通するが、彼が怠け者であるのに対して、チャーリーは誰も見ていないところでも努力し、頑張る。せっかくテストで100点をとって皆から大賞賛されたと思いきや、それが他の同級生の答案と取り違えられていたことを知るや否や、彼はその事実を周囲に正直に告げる。嘘やごまかしで彼女の心を掴もうなどとは夢にも思わない。

結果的に認められようが認められなかろうが、報われようが報われなかろうが、チャーリー・ブラウンは諦めずに一生懸命に頑張るのだ。努力しても報われないこともある、それでも努力することをやめず、夢もあきらめない。それがチャーリー・ブラウンなのだ。

頑張る。気持ちを頑なに張り続けて、持てる力を尽くして戦う。
人を思う優しい気持ちと、頑張り続けるガッツ。この二つを持ち合わせているからこそ、チャーリー・ブラウンは、長い期間にわたって 誰からも愛されるキャラクターになったのである。

http://www.foxmovies-jp.com/snoopy/movie/