ドライブチェーンの適正な遊びとは
佐藤:ドライブチェーンについて聞きます。 この部分の重要な整備に遊びの調整がありますが、車両メーカーの広報車両ですら、最近、張りすぎている例が多いのが気になります。
小澤:チェーンが張りすぎているとまず変な音が出る。そして、ひどい場合にはドライブシャフトやホイールのベアリングが破損する。
佐藤:メーカーの試乗会で、チェーンが張りすぎていてドライブシャフトのオイルシール が破損して、オイルが大量に漏れたことがあった。同じくチェーンを張りすぎると、リアサスペンションの動きが悪くなります。
小澤:チェーンが偏伸び(チェーンのピンと ピンの間隔が微妙に伸びて不揃いになること。 結果として、チェーンの遊び量が場所によって変わる)する原因にもなる。
中野:偏伸びって、どこがどうなるんですか。
源さん先生:チェーンは、プレートとローラ ー、ピンなどを組み合わせて造られているから、過大な力が加わると、それらのどこかが 減ったり変形する。それが均一ではないから、偏った伸び方をするんだと思うよ。
中野:車両メーカーは3点直列の最も張った 状態で遊び量を合わせてからサイドスタンド で立てて、そのときの遊び量をオーナーズマニュアルに記載しているってことですね。
佐藤:当然モデルごとに違う。だから、取説をちゃんと見ないとだめなんです。
源さん先生:チェーンが張りすぎでも、遊び が多すぎても、チェーンが偏伸びするし、スプロケットが減る。定期点検が大事なんだ。
小澤:遊びが多すぎるとスロットルの開け閉 めでショックが大きいのもいやですね。
自転車の速度域ですら外れると大事故に繋がりかねないドライブチェーン。バイクでも適当な張りでいい訳がない。自分で整備できないとしても、メーカーが発表しているサイドスタ ンドで立てた状態での遊びの寸法を必ずチェックして、マメに点検をする事が大切なんですね!
そして、メーカーの試乗車だから!とか、借りたバイクだから!という事に安心しきらず、少しでも違和感や異音を感じたら、まず、チェンの遊びをチェックしてみる事も事故を減らす対策になると思います。