高圧洗浄はプロの仕事

画像: www.motormagazine.co.jp
www.motormagazine.co.jp

中野:さっき話に出た高圧洗浄機のことをちょっと聞きたいんですが、小澤さんは以前、 むやみに高圧洗浄機で掃除をしたオートバイは、水が入ってはいけないところに水が入ってサビると言っていましたよね。
小澤:例えば、ウチのは1平方センチメートルあたり80㎏の圧力で水が出るから、大根だって切れちゃう。そんな高圧を直接オイルシールに当てたら水が入るのは当たり前です。
中野:実際にシールから水が入ったバイクが何台も持ち込まれたことがあるそうですね。
小澤:バラしていったら、水が入った形跡があったので、何をしたのか聞いたら、量販店の洗車サービスで高圧洗浄をしたんだって。スイングアームのピボットシャフトは内側がサビて抜けないし、オイルシールの中のグリースは乳化しているしで、ひどい状態だった。
佐藤:シールチェーンだってダメになる。
小澤:シールチェーンのシールは、雨の中を走っても水が入らないようにしているだけだから、高い圧力をかけたら簡単に水は入る。オートバイはいわば生活防水レベルだからね。
佐藤:しかもシールの内側に入った水はまず出てこないから、チェーンは内側からサビて使いものにならなくなる。高圧洗浄機は理屈がわかった人が使わないとだめなんです。
小澤:ナットのネジ山にも水は入るからね。
中野:小澤さんが高圧洗浄機を使うときは、どういうやり方をするんですか。
小澤:ジョイント部やシール部には離して当てる。圧力を変えることはできないので、離れたところから角度を考えて当てて圧力を下げています。絶対にやってはいけないのが、ラジエターコアに近くから噴射すること。水圧でフィンがみんな潰れてしまう。
源さん先生:オートバイはさ、全体がきれいであって、なおかつ、オイルやグリースがあるべきところにあるってのが理想なんだから、汚れと一緒に潤滑剤を落としてサビさせるなんてのは本末転倒ってことだよ。

オフロードなどで泥で汚れた時にかなり便利な高圧洗浄。確かに、ちょっと不安になるぐらいの洗浄力です。バイクの汚れって、結構細かい部分に入ってしまう事が多いので、ついつい使ってしまうのですが、バイクを錆させたり、壊れる原因になったりする危険性がある難しい道具だったんですね。
大切なバイク!高圧洗浄を使わなくては落ちない汚れはプロに任せて、楽をしないでキチンと洗車する事がメンテナンスには大切なんですね。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.