人間界の「渋谷」とバケモノの世界の「渋天界」。普段は交わることのない二つの世界。
父親とは生き別れし、母親が夭逝したことで天涯孤独となった少年と、バケモノの世界では一、二を争う剛腕の持ち主で 乱暴者の熊徹は偶然の出会いを果たし、熊徹は少年を九太と名付けて弟子にした。バケモノ界で嫌われ者の熊徹と、少年 九太の奇妙な共同生活が始まるのだが、成長した九太は渋谷へ戻る通路を発見し、人間界との行き来を始める。
父親とは生き別れし、母親が夭逝したことで天涯孤独となった少年と、バケモノの世界では一、二を争う剛腕の持ち主で 乱暴者の熊徹は偶然の出会いを果たし、熊徹は少年を九太と名付けて弟子にした。バケモノ界で嫌われ者の熊徹と、少年 九太の奇妙な共同生活が始まるのだが、成長した九太は渋谷へ戻る通路を発見し、人間界との行き来を始める。
本作は、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』を手がけた細田守監督の、第4作目となる。意識したことはないが、僕は全作制覇していた。
これら4作の中では『サマーウォーズ』がダントツの出来だとは思うが、それでもこの『バケモノ子』、悪くない。ガサツで粗暴で、愛情をうまく表現できない熊徹と、素直になれず悪態ばかりの少年 九太の間の心模様は、(氏より育ちとはよく言ったものだが)実に細やかで、思わずホロリとさせられる。それは師匠と弟子という関係よりは、血こそ繋がっていないものの(というよりもバケモノとヒトであるけれど)、親子の関係そのものだ。
親子の情、というものには 正直 縁遠い僕なのだが、不器用でも全力で自分に向き合ってくれる強い父親に対する憧れのようなものはある。
本作では、最後に九太は、人間 蓮に戻り、人間界で実の父親と暮らすことになるのだが、熊徹との関係は不変で一生続くものとなる。蓮と、人間の少女 楓との淡い恋心に似た関係も描かれてはいるが、やはりこれは親と子の物語なのだ。
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