Kawasakiの名車をフィーチャーしたコミックをまとめた、モーターマガジン社のムック雑誌『RIDEX ライデックスカワサキ スペシャルエディション』(©東本昌平/モーターマガジン社)。
その中でももっともエロく切ないムードを漂わせる一作を紹介しよう。

自分の居場所に突如現れた、古い知り合いの女

画像1: ©東本昌平先生/モーターマガジン社

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トレーラーの運転手をしている主人公レイ。日頃のストレスの解消というわけではないが、休日には愛車のZ1(KAWASAKI 900 SUPER FOUR)を乗り回していた。
夏が近づきつつあるのに、革ジャンを脱げない彼は、行きつけの喫茶店に偶然居合わせた中学の同級生 アキコと再会する。

アキコとは特に思い出というほどの過去はない。つきあっていたわけでもないし、親しく口を利いたこともなかった。ただ、彼女の男好きのする腰つきは記憶に残っていた。

画像: 行きつけの喫茶店でレイを待っていたのは中学の同級生アキコだった。 ©東本昌平先生/モーターマガジン社

行きつけの喫茶店でレイを待っていたのは中学の同級生アキコだった。
©東本昌平先生/モーターマガジン社

自分に気がある女に冷たくできる男は・・・

バツイチで子持ちだというアキコは、いま婚活中なのだという。
度々その喫茶店に姿を見せるようになった彼女は、レイに気があるように思えるが、レイは冷淡な態度を崩さない。また、彼のZ1に乗りたがるアキコを、レイは決して乗せようとはしない。そもそも彼のZ1はタンデムステップを外してあり、誰かを乗せようという気さえないのだった。

しばらくして、アキコはレイに「プロポーズされた」と告げる。その言葉にも薄い反応しかしないレイにアキコは「レイは結婚しないの?」と問うのだ。

画像: 他の男からプロポーズされた、と女が敢えて知らせに来るときは、止めて欲しいという意味だと思うのだが、主人公レイは返す言葉で「よかったじゃん!」。©東本昌平先生/モーターマガジン社

他の男からプロポーズされた、と女が敢えて知らせに来るときは、止めて欲しいという意味だと思うのだが、主人公レイは返す言葉で「よかったじゃん!」。©東本昌平先生/モーターマガジン社

画像: 結婚ね。考えたこともなかったな。 ©東本昌平先生/モーターマガジン社

結婚ね。考えたこともなかったな。
©東本昌平先生/モーターマガジン社

昔馴染みの男と女の間に流れるのは、Z1の乾いたサウンド

夏が本格化していく中で、アキコはどうやらプロポーズを受ける決意を固めていく。
そんなアキコに、レイは、初めてZ1に彼女を乗るように誘うのだ。

画像2: ©東本昌平先生/モーターマガジン社

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画像3: ©東本昌平先生/モーターマガジン社

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レイとアキコは昔付き合っていた、というわけでもなく、男と女の関係にあったわけではない。
彼女を後ろに乗せようと思い立ったレイに、どんな心境の変化があったのか。そして、他の誰かのモノになろうと決意した女は、いまになって自分に優しくする男の背中に腕を回して、何を考えるのか。それは、本作をぜひ 読んで欲しい。

東本先生が描く女性は、皆 エロさと同時に、男をハッとさせる強さを持っているように思う。本作『Milky Summer』のアキコもまた、そういう女性の一人だ。
関心がないように振舞っていたレイでさえも、男たちは誰もが 彼女たち オンナ にどこか心惹かれている。

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