モーターショーに出展されていた未来のライトウェイトスポーツカーコンセプトモデル「息吹IBUKI」からの流れで発売された3代目ROADSTER NC。法律とデザインとライトウェイト。この3つの事情が複雑に絡み合い出来上がった。
ロードスター初の3ナンバー枠へと広がった3rdモデル
(ROADSTER BROS.@モーターマガジン社)
たしかに大きくなった。しかし車重はわずか1100㎏。NB8のRSが1030㎏だったことを思えばものすごいことだ。当時よりも排ガス規制が厳しくなったことから、触媒の容量を増やさなくてはならない。当然マフラーは2本出し。
エアバッグに加えてコーナリングやブレーキへの積極安全デバイスも取り入れなくてはならない。一方で、利便性を追求した装備は排除していく。こうした攻防のなかでまとまっていったのだ。
排ガス規制により、車体を大きくする事を余儀なくされたROADSTER。それでも「人馬一体」の信念を貫き通し、大きくても少しでも車重を軽くすることにこだわった結果、乗っていて楽しい車というROADSTERの原点を失わずにファン層を広げる事となった。やはり、デザインが変わっても、いいものはいいのだ。
販売が開始され始めると、歴代モ デルとの差が見えてきた。というのは、購買層が高いということ。価格的なこともあるだろうが、3代目だけがずば抜けて高いわけではない。
子供の手が離れ、ファミリーカーに乗る必要がなくなったため、購入に踏み切った人や、昔NAに乗っていたから、という理由で手に入れている。また、これまで圧倒的にマニュアル車が多かったが、AT車の比率が高いのも特徴だ。
そしてRHT(リトラクタブルハ ードトップ)と呼ばれる電動トップモデルが出て、MT車の減少は拍車をかけた。ミーティング会場では、幅広い年齢層のユーザーを見かけるようになった。豊かな時間を過ごしていることがよくわかる。
そして、RHTやATなど、ROADSTERも例外ではなく良くも悪くも時代の流れに乗ることになったモデルである。こだわりは捨てない。でもそれは、変わらないという事では無い。そんなROADSTER開発者達の姿勢が現在までROADSTERを存在させ続けてくれたのではないでしょうか。