そんなラスティは対立する不良グループとの抗争に応じるが、その最中にモーターサイクルボーイが戻ってくる。しかし、尊敬する兄貴はなぜか昔の面影はなく、喧嘩や諍いを嫌い避けるようになっていた。彼が関心を持つのは水槽の中のランブルフィッシュ(闘魚)だけだった・・・。
美男美女のオールスター出演でドキドキするする作品
改めて本作をみて驚くのは、あまりに綺羅星のように著名俳優たちが出演していることだ。主人公ラスティ・ジェームズを演じるマット・ディロン、その彼女はダイアン・レインで親友にはニコラス・ケイジ(彼はコッポラの甥)。狂言回しの役どころ(モーターサイクルボーイ)を軽妙に演じるミッキー・ローク。その父親役にはデニス・ホッパー。
さらに、(『マトリックス』のモーフィアスを演じた)ローレンス・フィッシュバーンまで出演しているのには驚いた。映画っていうのは、一度見たからといって鷹を括らずに、たまにはちゃんと見返すものだ。
名作なのか駄作なのかは観るあなたが決めてください
本作は全編モノクロームである。色盲であるモーターサイクルボーイの目を通して観ているという設定のようだ。彼の目に映る”色のある世界”は、水槽の中のランブルフィッシュだけだ。
モーターサイクルボーイは街の不良を束ねるボスだったが、あるとき不意に姿を消す。戻ってきたときの彼はまるで廃人で、かつての彼ではなかった。彼に何があったか、弟のラスティ・ジェームズどころか、観ている我々にもよくわからない(笑)
『ランブルフィッシュ』をみたのは何十年ぶりだかわからないが、ストーリーは完全に忘れていた。いや、忘れていたと思ったのだが、そうではなくて、改めて観ても全く意味がわからないのだった。しかも、思っていたよりも全然オートバイが出てこない(苦笑)。
しかし、モノトーンの映像はスタイリッシュだ。万人受けする作品ではない。
なのだけど、僕はまた、10年後くらいに本作を観るだろう。なぜかそれを確信を持って言える、実に不思議な映画だ、ランブルフィッシュは。