緻密なストリーテラーであり、車やバイクレースを描かせても超一流の作家 村上もとか先生が描くミステリー。
モータージャーナリストでありF3レーサーである椎名ひとみは、なかなか成績を残せず、悩んでいた。また、何年も前に事故で亡くした恋人 邦彦のことも忘れられず、トラウマを抱えている。そんな彼女はレース後に一人 愛車のアルファロメオで、邦彦が事故を起こした峠にやってきていた。すると、彼女にパッシングをして近づいてくる車が1台。それは黒いポルシェ928。
サイドにはSIREN(セイレン)の文字とマークが記されている。セイレン。それこそは、邦彦が死の間際に残した、事故を起こすきっかけになった公道レースの相手の名前だった・・・
モータージャーナリストでありF3レーサーである椎名ひとみは、なかなか成績を残せず、悩んでいた。また、何年も前に事故で亡くした恋人 邦彦のことも忘れられず、トラウマを抱えている。そんな彼女はレース後に一人 愛車のアルファロメオで、邦彦が事故を起こした峠にやってきていた。すると、彼女にパッシングをして近づいてくる車が1台。それは黒いポルシェ928。
サイドにはSIREN(セイレン)の文字とマークが記されている。セイレン。それこそは、邦彦が死の間際に残した、事故を起こすきっかけになった公道レースの相手の名前だった・・・
村上先生の上質のミステリー
村上もとか先生はとにかく絵が上手。プロの漫画家に上手というのも失礼な感じがしますが、だって、ほんとにうまいのだから褒めざるをえません。車を描いても人物を描いても、ほんとに素晴らしい。
同時に、物語作りもとってもうまい。漫画でも映画でも名作=完璧な脚本・ストーリーというわけではないですよね。その点、村上先生の作品は、ストーリーと絵のバランスが絶妙で、たとえそれほど売れた作品でなくても、ほんと素晴らしい出来の作品が多いんです。
この「SIREN」も、ご存じの方はほとんどいないのでは??
たぶん商業的にはそれほど売れた作品ではないのかと思うのですが、実に面白い。
美人レーサーを狙う謎のポルシェ928とそのドライバーの執拗さと、ヒロインのひとみが引きずる亡き恋人への恋情が、うまい具合に重なり合って、興味深いミステリーを紡いでいくのです。
これからも知られざる名作を掘り出していきます!
世の中には、人には知られていなくても、ほんと良い作品というものが多くて、Kindleを始めとする電子書籍化、そして検索によってネット上から古今東西・新旧合わせた多くの作品に触れる機会ができているってことが、ほんとうに喜ばしく思いますね。
超メジャーな『バリバリ伝説』『あいつとララバイ』などの作品紹介からスタートしたこの企画ですが、今後はもっと知られざる名作にスポットライトをあてて、皆様に良い作品との出会いをご提供できるよう、トーマス、がんばります!
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