「翼をください」は、フォークグループ「赤い鳥」の曲で、合唱曲としても有名です。皆さんも子供の頃に歌われたことがあるのではないでしょうか? 閑話休題? 今年のモトGP日本ラウンドの予選では、ドゥカティが4枚羽のウイングをフェアリングに装着して、注目を集めましたね。
2010年から精力的にトライを繰り返すドゥカティ
4輪レースの世界では、主にダウンフォースを得るためのデバイスとしてウイングはポピュラーですが、車体姿勢がリーンするモーターサイクルのロードレーサーで、ウイングってどれくらい有効なの・・・と疑問に思う方は多いと思います。
ドゥカティ・ファクトリーは、ここ数年ウイングの有効性を追求していますが、今の所は試行錯誤といったところなのでしょうか? 最近では、ヤマハ・ファクトリーもコレにトライするなど、これからウイング効果の追求が、ロードレースでのトレンドとして定着するかもしれません?
意外に古い、ウイング効果追求の歴史。
実はウイングをロードレーサーへ装着する試みは、かなり昔から行われていました。1974年にはMVアグスタが開発。しかしプラクティスのみの走行で、GP本戦は走りませんでした。その他にはヘロン・スズキも、バリー・シーンらのマシンに翼を与えています。
ちなみに量産車でも、わずかではありますがウイング装着例があります。2000年のカワサキZX12Rは、フェアリング側面にちょこんと小さなウイングをつけています。
そのルーツは「くちばし」?
こちらはウイングではありませんが・・・なんらかのデバイスでダウンフォースを得る、という試みを遡ると、そのルーツは1950年代のモト・グッツィのグランプリバイクになるのかもしれません。前輪を覆う「ダストビン・フェアリング」が定着するまでの間、モト・グッツィは風洞実験で空力を追求した、独特な形状のフェアリングを採用していました。その形状から「バード・ビーク」=鳥の嘴(くちばし)と呼ばれています。
ウイングが今後、ロードレースの標準装備的デバイスになるかどうか・・・はまだ定かではないですが、公道車も含め今後どのように発展していくか、非常に気になりますね。