川崎のハーレー専門カスタムビルダー BAD LANDにお邪魔した。
前回はオフィスと工場をみせていただいた模様をレポートしたが、倉庫と、そのなかに設置された撮影スタジオもお見せいただいたので、レポートを続ける。

前編をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。

倉庫の中で世に出る日々を待っている工芸品のようなマシンたち

画像: クワイさんの運転で倉庫に向かう。

クワイさんの運転で倉庫に向かう。

本社から車で数分の場所に、倉庫はあった。
ドアを開け、中に入ると、オートバイ好きにはたまらない空間が広がっていた。ざっと数十台のハーレーが所狭しと並び、自分たちの順番を待っていたのである。
(なぜか車検を引き受けたというKAWASAKI ZIもあった。足回りや排気系だけでなくエンジン周りもフルチューンされた、いまどき珍しい一台であった)

画像: カワサキ好きの僕としては一番先に目が止まったのがこのZ1なのはしょうがないw

カワサキ好きの僕としては一番先に目が止まったのがこのZ1なのはしょうがないw

画像: 塗装前のむき出しの地金があまりに美しく神々しい。

塗装前のむき出しの地金があまりに美しく神々しい。

画像: ステンレス製のハンドルは実に複雑な曲線。細かいところまでみていくと何時間でも眺めていられる。

ステンレス製のハンドルは実に複雑な曲線。細かいところまでみていくと何時間でも眺めていられる。

画像: ロー&ロングの、ドラッグぽい、ヨーロピアンスタイルの車両が多い中で、かえって目立っていたチョッパー。シートに目をやると・・・

ロー&ロングの、ドラッグぽい、ヨーロピアンスタイルの車両が多い中で、かえって目立っていたチョッパー。シートに目をやると・・・

画像: チョッパーのシートには、素晴らしいスカルの加工。これだけでも通常のカスタム予算を超えそうだ。

チョッパーのシートには、素晴らしいスカルの加工。これだけでも通常のカスタム予算を超えそうだ。

倉庫の奥の撮影スタジオ

BAD LANDを特徴づけているのは、プリントではなくクラウドを中心に行っているマーケティングの巧みさだ。
もちろんカスタムそのものの技術が高いからこその評価だが、その製品の良さを世界に知らしめるための手法が、オートバイ業界のそれではない。高度なコンテンツマーケティングの好例として、高い評価を受けるべき企業である。

BAD LANDのFacebookページにしても、HPにしても、そこには素晴らしいクオリティの画像が数多く並べられているが、それらはすべてクワイさんの作品だ。
その美しい写真を生み出しているスタジオは倉庫の奥にあった。

画像: スタジオを前に立つ、社長のクワイケイイチ氏

スタジオを前に立つ、社長のクワイケイイチ氏

画像: 黒い壁と床の撮影スペース。上、右、左からライティングを行う。フラッシュではなく間接光を用いている

黒い壁と床の撮影スペース。上、右、左からライティングを行う。フラッシュではなく間接光を用いている

画像: 実際に撮影させていただいた。

実際に撮影させていただいた。

画像: 露出を控えめにすると床も含めて漆黒の世界にハーレーが浮かび上がる

露出を控えめにすると床も含めて漆黒の世界にハーレーが浮かび上がる

画像: 暗闇から飛び出してきたようなハーレー

暗闇から飛び出してきたようなハーレー

ソーシャルメディアマーケティングからオウンドメディアへ

実はBAD LANDは、このロレンスの兄弟サイトと言えるオウンドメディアを立ち上げている。
開設するやいなや1ヶ月も経たずに10万PVを超えるトラフィックを生み出した、奇跡的なオウンドメディア「BADLAND RHAPSODY」だ。

240万人以上のファンを抱えるFacebookページを運営し、さらにEコマース機能を装備するWebサイトを持ちながら、なぜいま改めてオウンドメディアを立ち上げるのか?
その質問に対して、クワイさんは「Facebookページのリーチ数は、Facebookの意向次第で増えたり減ったりします。Facebookだけに依存するのはあまり良くないと考えました」と答えてくれた。

また、「Facebookページは自社ブランド名でスタートしたけれど、本当は世界中のハーレーカスタムメーカーと協力して、新しいメディアを作ろうとしていた」とクワイさんは語る。「FacebookページのURLやページ名は後から変えられないので、ならば世界のハーレーカスタム情報を発信する場を自ら作ろうと考えています」

そのためにまず、RHAPSODYを試験運用始めた。
「使い勝手がよいことがよくわかったし、読者の反応もいいので、そろそろ世界の同業者に連絡して、新しいメディアへの参画を呼びかけようと思っています」とクワイさん。

とても従来型の”カスタム屋さん”の発想ではない。
ロレンスとしても(運営会社であるリボルバーとしても)、そのプロジェクトに一役買いたいと考えている。

【BAD LANDとは】
モーターサイクルの“究極”を貴方に。 100年以上の歴史を誇り、常にモーターサイクルの頂点に君臨し続けてきた、HARLEY-DAVIDSONその歴史は常にカスタムとともに進化してきた。 そして、どの時代もシーンを変えたカスタムマシンは常識にとらわれない勇気をもち、前へ進もうとする姿勢から生み出されてきた。今、カスタムハーレーのありかたが大きく変わろうとしている。始まりはヨーロッパのカスタムシーンからだった。太ければどこまでも太く、低ければどこまでも低く。かれらは常識にとらわれず、極限までハーレーの、ワイルドで力強い部分を表現した。 BAD LANDは創業以来、常に最新のユーロカスタムシーンと密接にコラボレーションし、既成概念に囚われない究極のカスタムハーレーをお客さまにご提供して参りました。 究極を知るあなたにこそ相応しいモーターサイクルをユーロカスタムの最高峰を知り尽くした当社がプロデュースいたします。 まずはお気軽にご相談ください。

画像: 【取材】ソーシャルとWebを使いこなして世界に発信。ハーレーカスタムの『BAD LAND』 - 前編 - LAWRENCE(ロレンス) - Motorcycle x Cars + α = Your Life.

【取材】ソーシャルとWebを使いこなして世界に発信。ハーレーカスタムの『BAD LAND』 - 前編 - LAWRENCE(ロレンス) - Motorcycle x Cars + α = Your Life.

BAD LAND:川崎に拠点を持つハーレーダビッドソン専門のカスタムビルダー。
ロレンスで紹介している世界のカスタムビルダーたちには、自社の製品として自らベース車両を仕入れてコンプリートカスタムバイクとして販売するショップが多いが(ハーレーで言えば、 日本ではロードホッパー が有名だ)、BAD LANDは顧客が持ち込んだ車両のカスタムに専念している。既に3年分のバックオーダーを抱えており(2015年7月現在)、非常にビジネスは好調だという。
カスタムの平均費用は500万円を超える。だから顧客はコアなハーレーファンであり、40代以上の比較的裕福な層が多くなる。マシンはどのモデルに執着する、ということはなく、顧客が持ち込むハーレーは分け隔てなくカスタムする。加工や塗装などに関する技術革新にも余念なく、常に新しい手法や素材の採用に貪欲な、非常に真面目なカスタムビルダーだ。
「BAD LAND」神奈川県川崎市幸区南加瀬4-18-1
1階が工場になっている。
インターネットをフル活用して台頭したブランド
240万人以上のファンを集めるFacebookページ
www.facebook.com
カスタムビルダーとしてのBAD LANDがなぜ高い評価を得ているか、その理由は彼らのカスタムハーレーを見れば一目瞭然だ。
しかし、技術やデザインだけなら同じようなスキルを持つショップは他にも多くある。
BAD LANDがユニークであり、際立っているのは、インターネットを巧みに活用したブランディングのうまさにある。通常であれば、ハーレーカスタム業者はハーレー専門誌などの紙媒体への広告への依存度が高いが、BAD LANDは自社Webサイトはもちろんのこと、Facebookページなどのソーシャルメディアをフル活用することで、世界的な知名度を獲得することに成功している。
「雑誌社とのおつきあいがうまくないだけですよ」と、社長のクワイ ケイイチ氏は笑う。
しかし、BAD LANDのFacebookページは日本語のみならず英語でも情報発信しており、なんと240万以上の「いいね!」数を集めている。有限会社のFacebookページとしては極めて異例の人気である。
社長のクワイ ケイイチ氏
クワイさんは言う。「現場はうちのスタッフに任せてあるので、僕がすることはインターネットで情報を拡散することだけですよ」
クワイさんは独学でHP製作ソフトなどの使い方を学び、Webサイトを立ち上げた。自分たちの製品の良さを知らしめるためには良い写真が必要であると気づくと、自らカメラを手に取り、やはり独学で使い方を習得するとともに、自社倉庫の奥に撮影スタジオまで設置する。非常な凝り性、であると同時にクリエイターとしての強いこだわりを持つ人なのだ。
愛用のライカ。プロダクトの撮影にはキヤノンの一眼レフを使うという。
工場の2階はオフィス。窓には鉄板が張られ、採光をあえて遮断している。
今のインターネットはコンテンツマーケティング花盛りだ。良いコンテンツを製作し、ソーシャルメディアで拡散し、自社サイトに集積しておく。自社サイトはコンテンツの発信源であると同時にコンテナーである。その意味で自社は従前のWebサイト、もしくはホームページというような静的なものではなく、ニュースサイトのように毎日情報発信し、アップデートするメディアでなければならない。つまり、オウンドメディアとして設計し、ソーシャルメディアとの親和性を高めていかなければならない。
このコンテンツマーケティングとオウンドメディアの考え方を、クワイさんは正しく理解しているだけでなく、自分自身の手で実践している。
世界中の優れたカスタムビルダーには、同じような最新のネットマーケティングの手法を用いているところが多いが、なかなか日本国内にはいない。
BAD LANDは、その意味で非常にユニークで飛び抜けた存在なのである。
4名のエンジニアが黙々と作業を行う工場。職人の聖地だ。
BAD LANDは1階が工場。2階がクワイさんが働くオフィスになっている。
1階で製品が作られていく。そして2階で世界に向けて発信されているのである。
工場は雑然としているようにみえて、非常に綺麗に整理されている。仕事ができる人の机の上と同じ印象だ。
低くて長い、ヨーロッパスタイルのカスタムが多い
塗装前のタンクの溶接の線を見て欲しい。これが最終的には溶接跡が一切みえないように綺麗に加工されていく。
さらに、本社から車で数分の距離に倉庫があり、そこに顧客から預かる車両たちがエンジニアに触れてもらえる日を静かに待っている。
「倉庫もぜひ見てください。撮影スタジオもそこにあります」とクワイさんは車を回してくれた。
後編は、製品同様に高いクオリティで世界のカスタムファンを魅了する、数多くの写真がどうやって生まれていくかをレポートする。また、クワイさんの新しい野望についても紹介しよう。
【BAD LANDとは】
モーターサイクルの“究極”を貴方に。 100年以上の歴史を誇り、常にモーターサイクルの頂点に君臨し続けてきた、HARLEY-DAVIDSONその歴史は常にカスタムとともに進化してきた。 そして、どの時代もシーンを変えたカスタムマシンは常識にとらわれない勇気をもち、前へ進もうとする姿勢から生み出されてきた。今、カスタムハーレーのありかたが大きく変わろうとしている。始まりはヨーロッパのカスタムシーンからだった。太ければどこまでも太く、低ければどこまでも低く。かれらは常識にとらわれず、極限までハーレーの、ワイルドで力強い部分を表現した。 BAD LANDは創業以来、常に最新のユーロカスタムシーンと密接にコラボレーションし、既成概念に囚われない究極のカスタムハーレーをお客さまにご提供して参りました。 究極を知るあなたにこそ相応しいモーターサイクルをユーロカスタムの最高峰を知り尽くした当社がプロデュースいたします。 まずはお気軽にご相談ください。
www.badland.net
BADLAND RHAPSODY(BADLANDのラプソディ)
ハーレーダビッドソンのカスタム・ショップ : BAD LAND 主宰 クワイケイイチが発信するパーソナル・キュレーション & フォトグラフ・サイトです。サブカルチャーのその最先端に身を置く者の目線にて、まずはハーレーカスタムに関する様々な事。続いて私がこよなく愛するディープな街:横浜の事。そしてこれまた私がこよなく愛するカメラ界の王者:ライカの事やその他の写真の事。更には日々お伝えをさせて戴くに値する価値あるニュースや様々な出来事を、まさにクラシック音楽の一つのジャンルである狂詩曲 = ラプソディーのスタイルになぞりまして、自由奔放且つミクスチャーなスタンスにて配信させて戴きます!!
www.rhapsody.pw
ハーレーダビッドソンカスタムパーツ BAD LAND
ハーレーカスタムBAD LAND。ハーレーダビットソンのハーレーカスタムパーツ各種販売をしています。ハーレーカスタムのことならBAD LANDへお任せ下さい!
www.badland.net
後編につづく

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