画像: 2トーンスカの草分けとなったザ・スペシャルズ www.hitthefloor.com

2トーンスカの草分けとなったザ・スペシャルズ

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パンクムーブメントともに人気を得た「2トーンスカ」

「2トーンスカ」というミュージックをご存知だろうか。1970年代末のイギリスでパンクムーブメントとともに、大ブームとなった音楽ジャンルのひとつで、イングランド出身のザ・スペシャルズが代表的なバンドだ。いまでも世界中の様々なアーティストにフォロワーがいて、日本では東京スカパラダイスオーケストラや、新しいところではオレスカバンドやKEMURIといえば、聴いたことがあるという方も多いかと思う。

レゲエ同様にジャマイカで誕生したスカミュージック

そのオリジナルとなる「スカ」は、1950年代にジャマイカでおこった音楽ジャンルのひとつで、前回の【疾走するミュージック】レゲエ編でも解説したが、カリブ海の島に住んでいたジャマイカ人たちが、アメリカから流れてくるラジオを通じて、当時アメリカで流行していたジャズやR&Bを聴いて、影響を受けてコピーし始めたのがおこりとされている。

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ジャマイカのスカバンドを代表するスカタライツ

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イギリスに渡りモッズなどの若者たちに受け入れられて

レゲエにも通じるが、裏打ちのスカ独特のリズムは、その頃の音質が悪いラジオから流れてきたジャズが、2・4拍が強調して聴こえていたことが原因ともいわれている。そんなジャマイカで誕生した、スカバンド「スカタライツ」をはじめとしたスカサウンドはほどなくイギリスに渡り、モッズなど当時の若者たちに受け入れられ、パンクムーブメントと融合し、2トーンスカという音楽ジャンルとして発展してゆくこととなる。

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1980年代のホンダのCFで日本のお茶の間にも登場したマッドネス

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白と黒を意味する2トーンとは

2トーンといわれるようになったのは、ザ・スペシャルズをはじめ、ザ・セレクター、ザ・ビート、マッドネスといった、イギリスのスカバンドの多くが、ザ・スペシャルズの中心人物である、ジェリー・ダマーズがおこした「2トーン・レコーズ」と契約していたからだが、ザ・スペシャルズは白人と黒人のメンバーで編成されているし、当時のイギリスの労働者階級で問題になっていた、白人と黒人の融和を意図していたことから、白と黒を表す2トーンとネーミングしたともいわれている。

ファッションやビジュアルもとんがっていた

これはファッションやビジュアルにも反映されていて、スカバンドの多くはモッズスーツなど、黒いタイトなスーツに、細いブラックネクタイで身を包んでいたし、白と黒の市松模様もレコードジャケットなどのグラフィックに象徴的に使われていた。こうしたことから、2トーンスカはイギリスにおけるパンクやレゲエと同様に、労働者階級の若者たちを中心に、政治や体制に反抗するレベルミュージックとして支持されていったのだ。

日本でもポピュラーとなってゆくスカミュージック

日本では、ホンダの小型車「CITY」の1980年代のCFに登場した、マッドネスを覚えている方も多いかと思う。ほぼ同時期に、日本でも始まったクラブカルチャーとともに、ダブバンドの「MUTE BEAT」や、ジャマイカのオーセンティックなスカに忠実な「スカフレイムス」が誕生し、東京スカパラダイスオーケストラが登場すると、しだいにポピュラーなジャンルとして人気を得ていまに至っている。

The Specials - Little Bitch - Later... With Jools Holland

当時の映像が見つからなかったので、わりと最近のザ・スペシャルズから、代表曲のひとつ「Little Bitch」をご覧いただきたい。私もクラブDJ時代にしばしばターンテーブルにのせた曲だが、スカパラと並んで、スペシャルズのクラブフロアにおける破壊力は無敵としかいいようがなかった。速いリズムで踊る方も大変だけど、これをかけるDJの方も一緒にゼーゼーするほどだったのだ(笑)

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