ライダーにとって桜の便りとともに毎年楽しみにしている東京モーターサイクルショウ。この季節、「花よりバイク」って方も多いことでしょうね。東京モーターサイクルショウの各メーカーブースではいま話題のマシンが多数展示されていますが、私はあえてスポーツアドベンチャーに注目してご紹介してゆきます。

進化するアドベンチャーに注目してみたい

近年、世界的な人気となっているアドベンチャータイプは、各メーカーでもすっかりひとつのカテゴリーとして定着してきた感がありますが、最近の傾向としてはよりオンロード性能を重視したスポーツアドベンチャーへシフトしているようです。さらに最速クラスのスーパースポーツに迫るモデルも登場しはじめて、オフロードバイクから出発したアドベンチャータイプの進化は、様々なバイクジャンルの中でも目覚ましいものがあります。

過酷なアドベンチャーラリーから誕生したデザイン

世界最大級のアドベンチャーラリーであった、パリダカールラリーのレプリカモデルとして誕生したアドベンチャータイプは、その出自ゆえにややマニアックなスタイルとして認知されていましたが、そのデザインはパリ〜ダカールという1万キロを超える長距離移動と、ターマックから極限の砂漠まで様々な路面状況を走破する必要性から生まれたものでした。これが一般ライダーにとっても、一般市街地からツーリングシーンまでを楽しむ多くのライダーに、徐々に支持されてゆき今のアドベンチャースタイルが形作られています。

アドベンチャーはバイクライフスタイルを体現する

現代はバイクライフも多様化してきています。ロレンスでも注目して紹介しているカフェレーサーを中心とした世界的なカスタムムーブメントもそうですが、いまは「どのバイクに乗るのか」というより「どうバイクに乗るのか」、バイクと私のかかわり合い方という「バイクと私との背景」に関心が高まっているのかもしれません。そんな中でアドベンチャースタイルは、単にツーリングに適したバイクということを飛び越えて、「アドベンチャー=冒険」という本来バイク乗りが持っている本質のようなスピリッツを体現しているのではないでしょうか。

画像: アドベンチャーはバイクライフスタイルを体現する

長々としたアドベンチャー押しの前置きにおつき合いいただきありがとうございます。そんな思いから、私からはあえてスポーツアドベンチャーを中心に各社をご紹介したいと思います。まずはやはりBMW Motorrad Japanから発売が待ち望まれる「BMW S1000XR」でしょう。

アドベンチャーシーンに新しいフェーズが誕生する

BMWのスーパースポーツモデルの「S1000RR」のルックスをそのままアドベンチャーに移植したようなS1000XRはエンジンからフレームまでS1000RRとほぼ同じ構成といえるほどの意欲作です。BMWはまさにアドベンチャーの創始モデルともいえる、GSシリーズでこのジャンルのブームを生み出したメーカーですが、このXRでアドベンチャーシーンをまた新たなフェーズに私たちを連れてゆこうとしているようです。

画像1: アドベンチャーシーンに新しいフェーズが誕生する

画像2: アドベンチャーシーンに新しいフェーズが誕生する

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オンロード性能を向上させてきたアドベンチャーにあって、このS1000XRはいっきにスーパースポーツの領域に食い込むスペックを持って登場しました。ストイックなライディングポジションを強いられるスーパースポーツに較べて、自由度の高いコンポジションとこれまでのアドベンチャーにはなかったコンペティティブなスタイリングは、日本の峠道でもスーパースポーツをリアルに凌ぐ存在になりうるのではないでしょうか。これはまさにスポーツアドベンチャーを超えた「スーパーアドベンチャー」と言うにふさわしいマシンです。

昨年11月のミラノショウで発表されたS1000XRはいまだに情報が乏しいですが、BMW Motorrad Japanではまだ未定と前置き付きですが、今年7月ごろには国内リリースがあるかもしれないとのことでした。アドベンチャースタイルを生み出したBMWが提案する新しい挑戦が楽しみですね。

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