独創性のカタマリ・・・と呼べる芸術的な1台
カーボンファイバーパーツの多様、水冷DOHC4バルブ60度V型2気筒999ccエンジン、ダブルウィッシュボーン型のフロントサスペンション、フレームレス構造、前方にショックユニットを置いたリアスイングアーム、シート下のラジエター・・・コンサバティブな設計が主流のモーターサイクルエンジニアの世界において、ブリッテンV1000は新規性に富んだモデルでした。
一般にV1000として認識されている1992年型よりも前の世代、いわばマーク1と言える1989〜1991年のV1000は、まだ普通の? カタチをしていました。1989年のデイトナBOTTではワークスドゥカティを抜く速さを見せながらメカニカルトラブルでリタイア。1990年は3位と5位、1991年は2位でフィニッシュしています。
新型V1000を投入したBOTTは、トラブル続きで最後はリタイア。こちらの動画では、そのときの戦いぶりを収めています。
John Harvey
ニュージーランドの誇るべき歴史、となったブリッテン
ジョン・ブリッテンが執念を燃やしたデイトナBOTT勝利は1994年に達成しました。しかしその翌年の1995年、ジョンはガンにより45歳の若さでこの世を去ってしまったのです・・・。私は1998年の筑波サーキットのBOTTと、2001年にニュージーランドのプケコヘサーキットでのデモンストレーションでV1000が走る姿を見ましたが、いい思い出になっています。
Richard Caldwell
ニュージーランド国立博物館では、国の歴史を物語るモノのひとつとして、V1000の2号車を展示しています。またプケコヘなどのサーキットイベントなどで、デモンストレーション走行を披露することも・・・(動画はTTライダーのガイ・マーティンがV1000をライドしたときの模様です)。もしニュージーランドに行く機会があったら、ぜひジョン・ブリッテンの夢の結晶であるV1000の姿を見ることをオススメします。