みなさんはTTの「ハットトリッククラブ」という言葉を聞いたことがありますか? フットボールやホッケーでは1試合で3つのゴールを決めるとハットトリックと言いますが、TTの場合は1回の大会で3つのクラスで優勝することを、ハットトリックと表現します。ハットトリッククラブという団体があるわけではありません。1つ勝つだけでも大変なTTを、TTウィークの内で3勝してしまうグレートなライダーを讃え、「◯◯選手はTTエリート、ハットトリッククラブの一員となった!」と記述したりするわけです。"ビートルズ"の名曲「Eight days a week」をもじって、「Three wins a week」という表記も、英国メディアは多用しますね・・・。

TTエリートの証


画像1: 1989年TT・・・マン島TT今昔物語 #6

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1989年のTTでは、英国のスティーブ・ヒスロップがTT史上3人目のハットトリック達成者となり、新しいスターの誕生にマン島は大いにわきました。彼の前にハットトリックを達成したのはTT最多勝の英雄、ジョイ・ダンロップで、1985年と1988年に2度も達成しています。さらにジョイ・ダンロップは全盛期を過ぎて久しい2000年にもハットトリックを記録し、彼の限界説を唱える者たちの度肝を抜きました。

画像2: 1989年TT・・・マン島TT今昔物語 #6

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その他のハットトリック達成者は、デビッド・ジェフリーズ、ジョン・マクギネス、イアン・ハッチンソン、マイケル・ダンロップと・・・2000年以降の時代に集中しています。

1980年代まではわずか3人だったクラブ員が2000年以降に増加するようになったのは、4ストローク車が参加車両の主体となり、同じベース車両で複数のクラスに参戦が可能となったこと、そして公道レースのスペシャリストが首位争いの中心になったこと・・・などの傾向が大きく影響しているのでしょう。

画像3: 1989年TT・・・マン島TT今昔物語 #6

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画像4: 1989年TT・・・マン島TT今昔物語 #6

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画像5: 1989年TT・・・マン島TT今昔物語 #6

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なお、TTが世界ロードレースGPの1戦だった1976年までの時代では、ハットトリック達成者は1961年のマイク・ヘイルウッドが唯一無二でした。彼はプライベーターの立場でホンダに乗り125ccと250ccで、そして500ccはノートンに乗り勝利しています。このときの500ccのレースタイムは、単気筒車ではTT初となるオーバー・ザ・トン=平均時速100マイル超えという記録のオマケつきでした。さらに彼はAJS 7Rボーイレーサーで350ccクラスにもエントリーしていたのですが、メカニカルトラブルでもう1つの勝利をプラスすることはかないませんでした。

画像6: 1989年TT・・・マン島TT今昔物語 #6

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*第7回(最終回)は、下記のリンクからお読みください。

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