平均時速100マイル（160km/h）オーバーの世界
クラシックモーターサイクルは壊れる・・・と同じくらい、代表的？なクラシックモーターサイクルにまつわるイメージには「遅い」というものがあるみたいです。確かに、公道用のモーターサイクルに関して言えば、クラシックはモダンモーターサイクルより全般に遅いです（乱暴な言い方ですが）。しかし、ロードレーサーのジャンルに限れば、全般に結構速い！と言ってもいいでしょう。
出典：www.iomtt.com
英国本島の東にある、マン島で開催されるTT（ツーリストトロフィー）は、公道を利用したロードレースでは最もメジャーなイベントです。しかし、同じコースでクラシックロードレーサーを対象にしたレースが開催されていることは、日本ではあまり知られていないと言えるかもしれません。写真は2012年のマンクスクラシックGP350ccクラスを走るC.スワローと、イタリアのアエルマッキ・アラドーロ（４ストローク単気筒）です。
さて、これらの1972年以前生産（後年製作のレプリカ含む）の350ccロードレーサーの、マン島１周の平均時速はどれくらいと思いますか？
こちらのムービーは、2013年の350ccクラスのオンボードです。この映像の主役のC.ドナルド（1962年型AJS 7R・４ストローク350cc単気筒）は２位に入賞しましたが、その記録は平均時速99.781マイル（160.58195km/h）でした。なお平均時速とは、レーススタートの発進からチェッカーを受けてゴールするまでの時間から計算されます。平均値ですから、単にそのモーターサイクルが出し得る最高速を示すものではゴザイマセン。
なおこのレースの勝者、C.パルマー（1972年型ドリクストンホンダ・４ストローク350cc２気筒）は平均時速101.048マイルを記録していますが、ちなみに同年のTTゼロクラス（ゼロエミッション、電気モーター車）に彼が出走したら、３位表彰台に上ることになります・・・。
まぁ上記はありえない仮定なんですけど、２位の現役TT最多勝の名手、J.マクギネスが駆る「無限・神電」の平均時速109.527マイルという成績と比較すれば、なんとなくクラシックモーターサイクルも速いんだな・・・とご理解いただけるのではないかと思います。
