今年、創業100周年を迎えるBMWモトラッドですが、その前年の2022年度の販売台数は20万2,895台を記録することになりました。この成績は前年比で4.4%増で、同社の歴史最高の販売実績として記録されることになりました。なお昨年度はBMWモトラッドの新型電動スクーター、CE 04の発売初年度でしたが、このモデルは果たしてどれくらい販売台数増に貢献したのでしょうか・・・?

世界の各市場で、販売台数の好成績を記録!

1970〜1980年代ころを振り返ると世界的に、スポーツモデルのメインストリームは日本車の側にあり、BMW製2輪車はベテラン向けのニッチな製品・・・というイメージが強かったです。また1960年代には4輪の"ノイエ・クラッセ"(1961年からの1,500cc〜モデル)の成功もあって、2輪部門の廃止も検討されていました。そう思うと、今日のBMW製モデルの人気ぶりには、隔世の感みたいなものを覚えてしまったりします(※おじさんの感想?)。

1月23日のリリースによると、今年100周年を迎えるBMW2輪部門は、2022年に20万2,895台のオートバイとスクーターを販売し、史上最高の売上高を達成しました。前年比では4%増で、BMWは世界のプレミアムオートバイおよびスクーターのセグメントで首位に立っています。

マーカス・シュラム博士(2輪部門責任者)
「2022年に再び、私たちへの大きな信頼を寄せてくれた、世界中のお客様に心からの感謝の意を表したいと思います。2022年の記録的な結果は、私たちの魅力的な製品範囲とブランドが顧客に非常に人気があることを明確に証明しています。2023年の100周年を、大きな喜びと自信を持って楽しみにしています」

BMWの本拠地であるドイツでは、2023年に2万1,223台のBMW製オートバイ/スクーターが販売され、前年比で6.7%増加しました。そのほか欧州では、フランス市場の成績が好調だったそうです。そしてアジアは4万6,322台(前年比7.4%増)で、中国1万5,404台(同7.7%増)とインド7,282台(同40.3%)という巨大2輪市場にて、過去最高の成績をおさめたことも、全体の売上増に貢献しました。

北南米大陸では、北米2万295台(同11%増)でアメリカ市場のみで1万7,690台(同10.4%増)。南米市場ではブラジルが1万3,051台(同17%増)が最大の市場となり、南米全体では2万5,480台(17.2%)と著しい成長を記録しています。

売り上げ増の立役者は、やはりあのモデル・・・?

モデル別の売上高への貢献度・・・については、やはり近年のアドベンチャー人気を反映してか、R1250GSとR1250GSアドベンチャーの両モデルが最も高かったです。両モデル合わせての販売台数は約6万台! とのことですから、いかにアドベンチャーブームの牽引役としての両モデルの人気が、世界的に高いのかがわかります。

1980年に初代(R80G/S)が登場したGSシリーズは年々人気が高まったモデルであり、近年のアドベンチャーブームの立役者となりました。デュアルパーパスモデルではありますが、ほぼオフロードを走らない層からも、ツーリング用途に最適なモデルとして愛されています。

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高性能4気筒エンジンを搭載するモデル群のなかではS1000RRが最も貢献度が高く、1万台以上が顧客たちのもとに届けられました。S1000R、S1000SR、M1000RRを含む4気筒モデルの総販売台数は、約2万3,500台となります。

2輪モデルとして、初めてモータースポーツを意味する「M」を冠したM1000RRは、BMWのフラッグシップスポーツモデルです。青/紫/赤の「Mカラー」を身にまとうのも、このモデルの魅力のひとつでしょう。

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2013年からの、インドのTVSモーターカンパニーとの協力関係により生まれた単気筒モデル、G310RおよびG310GSは2022年に世界市場で2万4,000台以上が販売されました。なお2021年12月にBMWは、TVSと2輪EVを含む新プラットフォーム共同開発の長期的パートナーシップを結びましたが、両社のコラボレーションは今後もBMWの世界戦略で重要なポジションを占めることになりそうです。

ネイキッドモデルのBMW G310Rは、アドベンチャーのBMW G310GS、そしてTVSのアパッチRR310の兄弟車であり、これら3モデルはTVSの工場で生産され欧州、アメリカ、日本、中国、インドなどの市場で販売されています。

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電動スクーター、CE 04の初年度販売台数は約5,000台でした!

BMWは2022年に、新型電動スクーターの「CE 04」を市場に投入(日本市場では4月22日より発売)。BMWは今後、アーバン・モビリティ・セグメント・・・スクーターなどのコミューター的モデルの分野では、ICE(内燃機関)搭載車はリリースしないと明言していますが、CE 04のデビューイヤーの成績はその判断の正否を示すものとして注目されていました。

CE 04の「04」という数字は、ICE(内燃機関)車の400ccクラス相当のマキシ・スクーターであることをあらわしています。なお日本仕様は、シートヒーターとグリップヒーターを標準装備として採用しています。

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現状、世界的に2輪EVは、アーリーアダプター(早期導入者)と呼ばれる・・・好事家的? な層が購入する乗り物と目されていますが、発表された約5,000台というCE 04の販売台数は、なかなかの好成績といえるのではないでしょうか?

M.シュラム博士は18〜24ヶ月ごとに、新しい2輪EVをBMWはリリースすると予告しており、2025年からはアーバン・モビリティのセグメント以外にも、2輪EVを投入することを計画していると明かしています。

2輪事業100周年となる2023年に、BMWはさらなる飛躍を果たすことができるのでしょうか? また2年目のCE 04が売上をアップさせることができるかどうかも、注目したいですね!