BMW初の電動警察用2輪車！
1923年のR32登場以来、縦置きクランク・水平対向のBMW2輪は常に、性能と信頼性の高さから世界各国の警察車両に採用されてきました。その伝統は、電動時代を迎えた今も受け継がれる・・・ということで？ 今年のミリポール2021にはCE 04ポリス仕様が展示されました。
ミリポール2021のBMWブース。CE 04のポリス仕様のほか、R1250RT-P、F750GS-P、F850GS-Pが紹介されていました。
www.bmw-motorrad.comBMWにしてみても、「カタイ商い」である警察車両などのマーケットは、昔から大事にしている分野ではあります。1970年型「/5」シリーズ以降、BMW製2輪はベルリン工場がドイツの中心生産拠点になっていますが、警察、税関、技術支援組織、消防隊、軍隊、護衛などの「官」用2輪に関しても、民生モデル同様ベルリンで生産されています。
警察車両は採用国ごとの異なる「取り締まり事情」がありますが、BMWは警察車両作りの長年の経験と、依頼主の要望に応じるオーダーメイド手法を強くアピールしています。さまざまな要望に応える・・・という観点からすると、ICE（内燃機関）車以外の選択肢として、CE 04を提案できるのはBMWのひとつの強みになるのでしょう。
ICE車乗り入れ禁止エリアの警らには、最適なポリスバイク!?
今年、デビューして間もないCE 04のポリス仕様。民間モデルには装備されていないトップ&パニアケース、 フロントLEDフラッシング・ライト、リアLEDビーコン、サイレンなどのオプションが用意されています。
www.bmw-motorrad.comCE 04のポリス仕様は、60.6Ah（8.9kWh）という大容量バッテリーで、約130kmの航続距離を実現。最高出力30kW（41ps）、最高速度120km/hというスペックは、ポリスバイクとしては十分なのかどうか・・・とも思いますが、イタリアのZTL（Zona Traffico Limitato）のような、欧州先進国に多いICE車乗り入れ禁止区間でも躊躇なく警らできるのは、排出ガス皆無の電動2輪車ならではのメリットでしょう。
欧州ほど環境規制にシビアではなく、電動2輪車への関心も薄い日本では、電動のポリスバイクが採用されるのはかなり先の未来の話に思えます。ただ、日本にも電動2輪車普及期が訪れたときは、ICE車乗り入れ禁止区間に関する様々な議論も喫緊の政治課題になるでしょう。そのときは電動警察車両導入のハナシがシリアスに語られるようになっているのかも・・・しれないですね？