去る7月3日、フランス・シャレードで電動トライアルマシンによる「トライアルE」開幕戦が行われました。このクラス開設以来、毎年チャンピオンマシンとなっていたガスガスTXEはやはり参加せず・・・本格電動トライアルマシンを熱心に開発し、トライアルEをはじめ熱心にコンペ活動に励んでいたEM=エレクトリック・モーションのEPUREを駆る、ガエル・シャタヌが下馬評どおりに勝利しました!

結局、エントリーは6台でした

FIM(国際モーターサイクリズム連盟)トライアル世界選手権の併催イベントとして行われる「トライアルE ワールドカップ」。開設から4年、そのすべての過去シーズンを制覇したのはトライアル界の名門ガスガスでしたが、プレエントリーリストにガスガスチームの名前がなかったことから、今年度は本格電動トライアルマシンを先駈け的に熱心に開発し、開拓してきたフランスのEMの独壇場になるのではないか・・・? と予想されていました。

今年度トライアルE開幕戦の舞台となったシャレードに参加したのは、プレエントリーリストの3名よりも増えて計6名でしたが、やはり想像されたとおりガスガスのエントリーはありませんでした。そして昨年、王者アルベルト・カベスタニー(ガスガス)と競り合った、EMのエースライダーであるガエル・シャタヌが順当? に勝利し、EMのトライアルE初戴冠に一歩近づきました。

フランス・シャレードのトライアルEの表彰台。1位ガエル・シャタヌ、2位ジュリアン・ペレ、3位マーティン・リオボ・エルメロと、EMユーザーが1〜3位に入りました。

www.facebook.com

継続は力なり!! そしてユーザーは、戦い続ける姿勢に信頼を寄せます!?

G.シャタヌは6月、イタリア選手権のTR2カテゴリーに参戦し5位と3位を獲得。このエントリーはその2週間後のシャレードでの、トライアルE開幕向けてのテスト参戦であり、その意味では準備万端でキッチリトライアルE開幕戦を勝ち切ったと言えるでしょう。

Instagram

www.instagram.com

シャタヌは1ラップ目を減点10、2ラップ目を減点15で切り抜け完全優勝。雨の難しいコンディションでも、安定した強さを発揮しました。

開幕戦を勝利した、EMファクトリーライダーのG.シャタヌ。

youtu.be

2位になったのは10年以上「アーバントライアルショー」を主宰し、トライアルの普及に尽力するジュリアン・ペレ。直前に本番車を受け取ったペレは12セクションの1ラップ目は減点25で3位でしたが、2ラップ目では減点を17に抑えて順位を挽回。そしてガスガスのテストライダーを務めた経歴を持つスペイン人のマーティン・リオボ・エルメロが、2人のフランス人に続いて3位表彰台に登壇しました。

2位のJ.ペレ。なぜかリザルトには、マシン名が記載されていませんでした・・・?

youtu.be

ガスガスがなぜ今年のトライアルE開幕戦に参戦しなかったのか・・・その理由は定かではないですが、電動モータースポーツ推進に力を入れているFIMとしても、トライアルファン的にも、ガスガスの不在は残念なことに他ならないでしょう。

ともあれトライアルE開設前から、トライアル世界選手権に電動車でチャレンジしたりしていたEMがトライアルEのタイトルを今年獲得するとしたら、それを喜ぶ人は多いのでは? メーカーはさまざまな理由でモータースポーツに参戦したり、しなかったりするものですが、一途に活動を続けるメーカーを称賛するのは、モータースポーツ愛好家的には極めて自然な感情だと思いますので・・・。

なお今年度のトライアルEは、8月20日のアンドラ、そして8月28日のフランス・カオールの全3戦で競われることになる予定です。

26 min 2021 Hertz FIM Trial World Championship - Charade (France)

youtu.be