「ZX」と聞くと、カワサキ・・・? と思っちゃいますけど・・・?
春が来て、世界各国でさまざまなモータースポーツのシーズンが始まりましたね。今年の世界スーパーバイク選手権(SBK)は、ドゥカティ勢がかなりライバルたちを圧倒していて、正直ちょっと観ていて面白くないな・・・と思っています(苦笑)。まぁまだ長いシーズンが始まったばかり・・・ですけどね。
そんなSBKの下部シリーズである世界スーパースポーツ選手権(SSP)は、ドゥカティ パニガーレ V2、ホンダCBR600RR、ヤマハYZF-R9、トライアンフ ストリートトリプル765RS、カワサキZX-6R 636、MVアグスタF3 800 RR・・・が参戦するロードレースです。
2024年創業という中国の新興メーカーであるZXMOTOは、SSPなどで活躍してきたイタリアのプライベーター、エヴァン ブラザース レーシングとコラボして今シーズンからSSPへの参戦を開始。4月3日現在、SSPは第1、2ラウンドを消化したわけですが、アルガルヴェ国際サーキットで開催された2つのレースで、V.デビスはZXMOTOの820RR-RS(並列3気筒)に乗り、勝利をおさめました。

1992年生まれのフランス人ライダーのV.デビスは、2007年に125ccクラスで世界選手権デビューしたベテラン。ポルトガルでの2勝により、現時点でランキング3位に浮上しました。
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V.デビスの僚友であるフェデリコ カリカスロは、レース1は9位、レース2で17位。820RR-RSは819ccの並列3気筒水冷エンジンを、アルミニウムツインスパーフレームに搭載。乾燥重量182kg。最大出力153.6馬力で、トルク85N·m(レッドゾーンは15,250rpm)。ボッシュ製6軸IMUを採用し、電子制御も磨き上げています。
global.zxmoto.com我ら日本人としては、「ZX」の文字にカワサキを連想してしまいますが、ZXMOTO(張雪輪機 )創設者の張雪(Zhang Xue)のイニシャルを示しています。張雪はアドベンチャーモデルが話題となっているKOVEの共同創設者でしたが、KOVEを離れて2024年にZXMOTOを立ち上げたわけです。
ZXMOTOはまず、470ccの並列4気筒の「500RR」を製造販売。500RRは2万台以上を売り上げるヒット作になりますが、それに続くニューモデルの820RRはZXMOTOの上級版としてデビューしたスポーツモデルで、今年のSSPで活躍する820RR-RSのベースモデルでもあります。

820RRの並列3気筒エンジンは、左側バルブ駆動チェーン配置、楕円断面のポート形状などから、MVアグスタ F3を参考にしたのかもしれません? ただMV同様に逆回転クランクシャフトなのか? それとも正回転なのかはわかりません・・・。
global.zxmoto.com他の中国勢は、ちょっとSSPとSPBで苦労していますけど・・・

元KOVE共同創業者で、ZXMOTO代表の張雪(Zhang Xue)は、オフロード競技者としての顔も持つ若きメーカー代表です。17歳だった2004年に自分の2輪修理店をオープンし、今ではメーカー代表にまで上り詰めたわけです。
global.zxmoto.com昨年度で最後のシーズンとなったSSP300は、KOVEが中国車として初のFIM世界選手権獲得の偉業を達成して話題になりましたが、今年は上位クラスであるSSPでのZXMOTOの活躍が、大きな話題になりそうですね。
中国の2輪産業は「北部」の重慶、「南部」の江門が2大拠点として確立されている構成になっています。重慶は高性能エンジン開発などのコア技術分野に長年注力し、グローバル市場への進出を図る中型&大型モーターサイクル作りに秀でています。一方江門は、2輪用部品サプライヤー企業が110社以上、完成車メーカーも24社存在しており、主要部品を半径30分の移動圏内で調達できるという、非常に効率的なサプライチェーンを構築しています。21世紀初頭に生産台数世界一になってからの、中国2輪産業の今日までの発展ぶりは実に目覚ましいです。戦前〜戦後に欧米勢のコピーで技術を磨いた日本は、1961年に初めて世界ロードレース選手権(現MotoGP)のタイトルを獲得したわけですが、日欧に学んで伸長してきた中国勢が今後、モータースポーツの分野でどのような発展をみせるのかも非常に興味深いです。
なおZXMOTO以外の中国勢・・・QJモーターの「SRK800」はFIMのホモロゲーション公認が一時停止、KOVEの「450RR」はフェーズ2(実体確認、量産検証)の公認が保留中ということです(3月末時点)。とりあえず2026年のSSPやSPB(SSP300に代わり今年新設)で、幸先良いシーズンのスタートを切れたのはZXMOTOのみ、という感じではありますが、4月17〜19日開催の第3ラウンド(オランダ アッセン)でどんなリザルトが残されることになるのか、注目したいです!



