2011年のブランド再始動以来の、インディアンの大きな転換点
かつて「ビクトリー」ブランドで2輪事業を行っていたポラリスは、2011年より歴史あるインディアンブランドを買収。2017年にはビクトリーブランドを終了させ、インディアンに注力することになりました。サイドxサイドやスノーモービルなどのパワースポーツ系企業の大手であるポラリスにとって、インディアンの2輪事業は全体の7%に相当する売上高を記録する、大事なビジネスでした。

米アイオワ州を本拠に、1999〜2017年の間ポラリスはビクトリーブランドのモーターサイクルを販売していました。
www.victorymotorcycles.com2025年の10月、ポラリスはインディアンを分離し、株式の大半をカリフォルニア州ロサンゼルスのプライベート エクイティ ファーム、キャロルウッドLPに売却する計画を発表しました。ポラリスは少数株主として関与は続けるものの、インディアンは独立会社として再出発することになるわけです。
マイク スピーツェン(ポラリスCEO)
「ポラリスの所有権と投資の下で、インディアンモーターサイクルは、世界の2輪市場で有名なブランドと主要なプレーヤーとして再確立されました。現在の製品ポートフォリオ、グローバルディーラーネットワーク、カテゴリの専門知識、製造リソースにより、ビジネスは業界に専念する独立企業として成功するための良い立場にあります。私たちは、インディアンモーターサイクルの次の成長の章のための探求と計画の取り組みにおいて、非常に意図的で選択的でした。キャロルウッドでは、インディアンモーターサイクルには、ビジネスの現在の勢いを構築し、次の成功段階をサポートすることを信じるパートナーがいます。私たちは、インディアンのディーラー、顧客、従業員にとって、これをシームレスな移行にすることに自信とコミットメントを持っています」
とりあえず、この転換が悪い方向に行くことはなさそうです!?
1901年創立という長い歴史を持つインディアンですが、1945〜1953年のラルフ B ロジャース時代以降のブランドの歴史は、ブロックハウス、AMC、クライマー、ニューマン、AMAとDMCAなどなどの所有下となる流転の時代を迎えることになります。戦前の黄金時代のモデルと肩を並べるような傑作はその間生まれることはありませんでしたが、2011年からのポラリス期になってから、フラットトラック界でインディアンFTRが、そしてモト アメリカの「キング オブ ザ バガーズ」でインディアン チャレンジャーが活躍するなど、ブランド再興期を迎えた観があります。

2020年からスタートしたキング オブ ザ バガーズで、インディアンはハーレーダビッドソンとともに活躍。パニアケース付きツアラーをベースとしたユニークなレギュレーションと、迫力あるバトルが人気のイベントです。
www.indianmotorcycle.comなおこのインディアン分離独立報道の後の、11月24日にはインディアンとバンス&ハインズが、複数年の契約を結んだことが発表されました。この契約により、2026年シーズンの「キング オブ ザ バガーズ」でバンス&ハインズのチューニングを受けたインディアン チャレンジャーがシーズンを戦うことになります。
ブランドの買収・売却後に、以前より良くなった例、悪くなった例はそれぞれ多々あります。ポラリスから分離したとはいえ、経営不振から切り捨てられたわけではありませんので、おそらくインディアンが今後後者の例になることはないでしょう。2026年、新体制になったインディアンの活躍に期待したいです。
