毎年の恒例企画、Lawrenceが独断と偏見? で選んだ、2025年の2輪業界にまつわる10大ニュース(順不同)。第二次トランプ政権が打ち出した関税政策は、物価上昇、実質所得減少、企業競争力低下、農業への打撃などなど、米国の経済にもっぱら悪影響を与えただけという???な試みでした。そしてトランプ関税は、2輪業界への悪影響も少なくありませんでした・・・。

今年の米国の2輪市場販売台数は、昨年同期比で6.5%減・・・。

米国は世界最大の2輪マーケット・・・ではありませんが、年間約50万台の範囲を長年キープし続けている、各2輪メーカーにとっては大事な安定したマーケットです。2025年はいわゆるトランプ関税により、米国に輸入されるバイクに25%の関税が課されることになりました。従来の2.5%の10倍! という大きな上げ幅ですが、その影響による価格上昇は米国のディーラー、そして消費者たちに転嫁されることになります・・・。

2輪関連各種データを扱うMotorCycles Dataによると、第3四半期まで(1〜9月)までの米国の2輪累計販売台数は40万1,035台であり、前年の同時期の数値に対し6.5%減という残念な結果となっています。ホンダ、ヤマハ、BMW、KTM、トライアンフなどなど、多くの輸入車の価格は上昇し、この影響で米国中古車市場に流通する車両価格の相場は10〜20%くらいの上昇したそうです。

関税とは一般に、自国の産業を守るために設定されるもの・・・です。しかしトランプ関税は各種部品製品、そして鉄鋼やアルミなどの原材料にも高い関税をかけていたため、ハーレーダビッドソンやゼロモーターサイクルズなどのアメリカンメーカーも、関税による製造コスト増加という大きなダメージを受けることになりました・・・。

画像: 2025年第3四半期までの米市場の首位は前年度比14.2%増のカワサキ。2位は首位の座から陥落したホンダ(同8.0%減)、3位は同15.9%という、大幅な減少に泣いたハーレーダビッドソンでした。 www.harley-davidson.com

2025年第3四半期までの米市場の首位は前年度比14.2%増のカワサキ。2位は首位の座から陥落したホンダ(同8.0%減)、3位は同15.9%という、大幅な減少に泣いたハーレーダビッドソンでした。

www.harley-davidson.com

1983年のレーガン政権時代、日本車をターゲットに絞った2輪車関税は「バイ バック」後でまだ経営が安定していなかったハーレーダビッドソンを、助ける関税としてしっかり機能しました。一方トランプ関税によって、ハーレーダビッドソンは2025年だけで最大1億7,500万ドルを外国から輸入する部品などに費やすと予測されていました。本当にトランプ関税は「誰得?」な話ですね・・・。

復活を目指すKTMにとっては、特にアタマが痛い話だと思います・・・。

米国市場における、トランプ関税の最大の犠牲者は、前年度の第3四半期と比べ23.8%減!となったKTMといえるでしょう。2025年5月、インドのBAIHBV(バジャジ オート インターナショナル ホールディングスB.V.)の追加融資で再建の道を歩み出したKTMグループですが、彼らにとって大きなマーケットである米国市場での障害となるトランプ関税は、よりによって今年・・・と泣きたくなるような最悪なタイミングでの導入でした。

傘下ブランドのガスガスが2025年シーズン限りでトライアルのファクトリーチーム活動から撤退するなど、現在も痛みを伴う再生の「茨の道」を歩むKTMグループですが、その足をトランプ関税に引っ張られている状況を振り払って、しっかりと2026年へ進んでいってほしいものですね・・・。

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