三度目の正直? ついに悲願のGPタイトル獲得!!
2001年生まれの小椋藍は、2014年にロードレースデビュー。2015年はアジア タレント カップに出場しランキング7位。2016年は同カップでランキング2位になるとともに、レッドブル MotoGPルーキーカップでランキング11位を記録。2017年はレッドブル MotoGPルーキーカップで2勝してランキング5位。2018年はCEV Moto3 ジュニア世界選手権に参戦しランキング5位。またMoto3ワイルドカードデビューも果たしています。
2019年からHonda Team AsiaよりMoto3に参戦した小椋は、初年度はランキング10位。2年目の2020年はシーズン中タイトル争いでトップに立つなど安定した活躍をしましたが、残念ながら首位に4ポイント差のランキング3位にとどまりました。
2021年はIDEMITSU Honda Team Asiaに加入してMoto2に戦場を移し、初年度はランキング8位。2022年は3勝を記録してタイトル争いの主役となりますが、ポイントリードしてむかえた第19戦マレーシアGPでの転倒と、最終戦バレンシアGPの転倒によってランキング2位に甘んじることになります。
2023年シーズンは開幕前のトレーニングで負った怪我が響き、開幕から2戦欠場。タイトル争いに関与することなく、ランキング9位となった不調の年になりました。そして今年は、MT Helmets - MSIにチームを移籍。車両もカレックスからボスコスクーロへマテリアルチェンジという、大きな変化のなかでタイトル獲得に挑みました。
シーズン初表彰台は第4戦フランスGP、初優勝は第5戦カタロニアGPでしたが、年間3勝を含む8回表彰台登壇、そしてリタイアの少ない安定したマネジメント能力により、第18戦タイGPで5位以内に入ればタイトル獲得という、王手の状態に持ち込むことに成功します。
むかえたタイGPは、下位から2位に上昇した小椋が、タイトル争いのライバルであるアーロン カネットを追う展開になりましたが、雨足が強まったことから赤旗が出されることに・・・。そしてレース成立が確定するとともに、小椋のMoto2タイトルが決定しました!
日本人のタイトル獲得は、2009年の青山博一(ホンダ、250ccクラス)以来15年ぶり。そして250ccクラスに代わり2010年からスタートしたMoto2で、日本人がタイトルを獲得するのはこれが初の快挙となりました。
2022年にMoto2タイトル争いを繰り広げていたとき、小椋にはホンダから最高峰MotoGPへの昇格のオファーがありました。しかしクラスに関わらずGPタイトル獲得に強いこだわりを持っていた小椋はこれを固辞し、Moto2継続参戦の道を選んでいます。今年含めGPキャリアのなかで3度タイトル争いを演じた小椋ですが、三度目の正直で見事初志貫徹を果たしたわけです。
2025シーズンの小椋はアプリリアのサテライトチームである、トラックハウス レーシングからMotoGPに参戦します。ドゥカティ勢が優位な近年のMotoGPで、Moto2王者の看板を背負う小椋がアプリリアRS-GPとともにどのような戦いぶりを披露するのか・・・楽しみですね!