電動スクーター用バッテリー交換ステーションというビジネスの先駆者である台湾企業のGogoroは、5月31日に南米コロンビアでの事業展開を発表しました。このビジネスの「新大陸」といえる南米で、どれだけの速度で市場が成長するのか・・・要注目です!

今年1月に発表された南米進出が、いよいよ本格的にスタートしました

2015年から台湾国内でバッテリー交換ステーションの展開をスタートしたGogoroは、現在台湾国内で60万人以上の電動スクーターユーザーをサポートし、2,500以上の場所で1万2,500のバッテリー交換ステーション網を構築しています。台湾の2輪EV市場のシェアは90%以上!! で、同社のバッテリー交換ステーションの数はガソリンスタンドのそれを上回っています。

Gogoroの主張によると、同社の企業活動によって2015年以降で削減されたCO2は87万750トン!! とのことです。そしてGogoroは台湾国内だけでなく、インド、インドネシア、シンガポール、韓国、中国、フィリピン、イスラエル・・・と、このビジネスモデルを世界へ輸出することにも近年熱心に取り組んでいます。

今年の1月31日、Gogoroは南米でバッテリー交換ステーションを、チリのエネルギー企業であるコペックと提携してチリとコロンビアに展開するプランを公表しました。コペックは南米で3,000以上のガソリンスタンドなどを運営しており、同地域最大のEV充電網を整備している大手です。そして世界的なEV普及の波に乗るため、コペックは2019年にベンチャー投資のプラットフォームであるコペック ウインドを設立しています。

画像: Gogoroのバッテリー交換ステーションである「ゴーステーション」。台湾のアイオネックス(キムコ)、国内のGachacoなども同様のシステムを採用していますが、この方式を最初に発明したのはGogoroです。 ww2.copec.cl

Gogoroのバッテリー交換ステーションである「ゴーステーション」。台湾のアイオネックス(キムコ)、国内のGachacoなども同様のシステムを採用していますが、この方式を最初に発明したのはGogoroです。

ww2.copec.cl

今年2月にはすでに、チリ・サンティアゴのコペックのサービスステーションでゴーステーションの実装が開始されていましたが、この度コペック傘下のテルペルによって、コロンビアのボゴタにてゴーステーションの営業とGogoroブランドの電動スクーターの販売が本格的に開始されました。なおこれら新事業には、テルペルのEV関連サービスである「テルペル ボルテックス」というブランドの下で展開されます。

画像: コロンビアで発売されたGogoro製電動スクーターは、ビバ ミックス(右)と2 プラスの2機種。なお販売を手がけるのは、コロンビアの大手2輪ディストリビューターであるモタード社です。 www.facebook.com

コロンビアで発売されたGogoro製電動スクーターは、ビバ ミックス(右)と2 プラスの2機種。なお販売を手がけるのは、コロンビアの大手2輪ディストリビューターであるモタード社です。

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まずは首都ボゴタから整備を開始。そして他の都市へ拡大する予定です

コロンビアのゴーステーション整備は、まず首都のボゴタの4つのテルペルのサービスステーションから始まります。そして今年の年末までにその数は14まで増える予定で、さらにメデジンなどの都市にも拡大されていくことになります。

ホレス ルーク(Gogoro創業者兼CEO)
「ゴゴロとテルペルは、コロンビアとラテンアメリカ全体で持続可能な2輪輸送への移行を加速するための、共通のビジョンを共有しています。Gogoro Swap&Go バッテリースワップは、従来のプラグイン充電がもたらす多くの課題に対処します」

画像: テルペル ボルテックスの発表会の様子を映した一葉。テルペルは南米に2,300以上のサービスステーション網を構築しています。 www.facebook.com

テルペル ボルテックスの発表会の様子を映した一葉。テルペルは南米に2,300以上のサービスステーション網を構築しています。

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欧州先進国などに比べると、中南米諸国は環境問題にうといようなイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし近年中南米では干ばつによる水不足や、温暖化の影響による異常気象による自然災害の増加などにより、世界の他の地域同様に環境問題に対する意識が高まっています。

電動バイク用のバッテリー交換ステーションというビジネスにとって未開の地であった南米において、どれくらいの速度でGogoroとテルペル ボルテックスの事業が浸透していくことになるのか? 今後の動向に注目していきたいです。

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