中国における電動二輪車の区分は3タイプです
Honda Cub e:、Dax e:、そしてZOOMER e:は上述のとおり「EB」に属しますが、EBは最高速度25km/h以下の2輪EVが区分されます。2輪EVの区分は国・地域によってさまざまですが、中国ではEBのほか最高時速26km/h以上~50km/h以下の「EM」(Electric Moped)、そして最高速度51km/h以上の「EV」(Electric Vehicle)の3つに区分されています。
Honda Cub e:(ホンダ・カブ・イー)
Cub e:は言わずもがな、世界一生産された2輪車であるスーパーカブシリーズの電動版です。2015年の第44回東京モーターショーでホンダは、「EV-Cub」という電動コンセプトモデルが公開しましたが、Cub e:はよりシンプルな構成で、ミニマル感のあるスタイリングにまとめられています。
駆動方式は後輪のハブモーターですが、非常に興味深いのは自転車タイプのペダルがついており、チェーンを介して漕ぎ進むことが可能な点です。48V・20Ahのリチウムイオンバッテリーはフロア部に搭載。スマホのアプリを使って、Bluetoothでロック解除できる機構も備えています。
Dax e:(ダックス・イー)
ダックスホンダの血統を受け継ぐDax e:も、Cub :e同様にリアハブモーター+自転車タイプのペダルを備えています。リチウムイオンバッテリーは、48V・24AhとCub e:用より容量が大きくなっています。スマホアプリによる、Bluetoothを使ってのロック解除は、Dax e:にも採用されています。
ZOOMER e:(ズーマー・イー)
ZOOMER e:はICE版みたいに、スケートボードも収納できるラゲッジスペースは用意されていませんが、特徴的なチューブラーフレーム部や二眼式ヘッドライトなど、かつてのズーマーらしさはちゃんとスタイリングに盛り込まれています。
自転車タイプのペダルとチェーン駆動も取り入れているのはCub e:およびDax e:同様ですが、ZOOMER e:はチェーンテンショナーが備わっているのが特徴です。また価格がちょっと高い分、各種装備がデラックスになっているのもZOOMER e:の魅力といえるでしょう。
さて・・・気になる日本市場への導入なのですが・・・?
ホンダのリリースによるとこれら中国向けの3機種は、「2025年までに電動二輪車を合計10モデル以上、グローバルで投入する」という計画の先駆けとなるモデル・・・だそうです。
では日本での販売は? が最も気になるところですが・・・? それについては、このようなアナウンスでした・・・。
なお、今回発表されたEB3モデルは、2022年9月13日発表の「二輪事業の取り組みについて」で公表した、「中国・アジア・欧州・日本で、2022年から24年の間に投入する予定のコミューターEM/EBの5モデル」に含まれていますが、これら3モデルの日本での販売は予定していません。
日本での販売は予定していない・・・というのは、なんとも残念なことにも思えますが、中国のEBのレギュレーションに合わせたものをそのまま日本に導入できるわけではないですから、それは仕方ないことなのでしょう。
ただ、日本で昨年秋からサービス開始したバッテリー交換ステーションのGachaco(ガチャコ)にも採用されている交換式バッテリー、「Honda Mobile Power Pack e:」を使えるようにした、日本向けの仕様のCub e:、Dax e:、そしてZOOMER e:を作ることは技術的に十分可能なハズです。
今年は欧州でホンダ初となる2輪EV販売となる、「EM1 e:」がリリースされますが、EM1 e:ともども日本仕様のCub e:、Dax e:、ZOOMER e:をぜひ開発して欲しいですね。期待しましょう!