まずは年内に、杭州で80ヶ所のバッテリー交換ステーションを立ち上げ!
10月10日付のGogoroのリリースによると、ヤディア、DCJ大長江集団、そしてGogoroの3社は、中国の都市部における電気自動車用補給網を確立するために提携し、Huan Huan(换换)という新しいブランドの下、バッテリー交換ステーションを浙江省の省都である杭州で展開開始しました!
Huan Huanは、台湾で急速に整備されたGogoroのバッテリー交換システムを導入。まずは2021年末までに、杭州で80ヶ所のバッテリー交換ステーションを立ち上げ! そして2022年には、中国の他の都市でもHuan Huanを整備していく予定とのことです。
ところで、Huan Huan(换换)とは、何を意味するネーミングなのでしょうか? 中国語の「换」は日本語で「取替」を意味する言葉です。中国の人たちにとって、このブランド名はバッテリー交換ステーションの意義や使い方が、直感的に伝える効果的な名前だと言えるでしょう。
ホレス・ルーク(Gogoro創業者兼CEO)
「3億人以上のライダーを抱える世界最大の2輪車市場である中国でのローンチは、すべての都市にとって重要なマイルストーンとなります。世界有数の2輪EVメーカーであるヤディアと、中国最大のICE(内燃機関)2輪メーカーであるDCJ大長江集団と協力することで、安全で便利な電動モビリティを中国・杭州の人々に、そして将来的には中国および世界中の何億人もの都市部のライダーに提供することができます」
2025年まで、2億7,000万台!! の2輪EVの乗り換え需要が発生!?
またヤディアとDCJ大長江集団は、Gogoroのバッテリー交換プラットフォームをベースとした2輪EVを開発しており、これらGogoro規格の2輪EVが近い将来に多くの利益を両社にもたらしてくれることを期待しています。
2015年5月、中国指導部は「中国製造2025」という産業政策を打ち出し、建国100年目を迎える2049年に「世界の製造強国の先頭グループ入り」を目指す意思を世界に示しています。「中国製造2025」でかかげられた10の重点分野と23品目の中には、当然EV含む新エネルギー車も入っており、EV産業やリチウムイオン電池産業などに巨額の補助金を投じる一方、ICE車購入禁止などの各種規制によって、「官製需要」ドーピング的に国内EV市場を成長させてきました。
中国の2輪EVに関する法律ですが、1999年10月施行の旧法律が廃止され、2019年4月15日から新法律が施行されたことにより、リチウムイオン電池の搭載が"事実上"義務付けられています。新法の規制内容は「重量制限」なのですが、安価だけど重たい鉛蓄電池は事実上使えなくなり、高価だけど比較的軽いリチウムイオン電池を積まないといけなくなったのです。
一流テック系メディア、TechCrunch Japanの報道によると、2025年までに中国政府の規制に対応していない、2億7,000万台の車両が廃車になると言われている・・・そうです。ヤディアとDCJ大長江集団が、この乗り換え需要に応えるGogoroバッテリー交換プラットフォーム採用車を、比較的安価な価格で供給できれば・・・大きな利益を得ることができるでしょう。
国をあげてEV市場・産業の拡大に取り組む中国で、Huan Huan(换换)がどのような発展を見せるのか・・・注目しましょう!