6月12〜13日にフランスで行われたFIM EWC(世界耐久選手権)開幕戦ルマン24時間は、安定した速いペースで走り切ったヨシムラSERT MOTULが見事優勝しました! 4戦で王者チームを競う今シーズン、タイトル防衛のために重要な24時間レースを制し、幸先良い新体制のスタートを切りました。

獲得できるポイントが多い24時間レースは、超重要です!

今シーズンのFIM EWCは、開幕戦ルマン24時間に続き、7月17日にエストリル8時間、9月18〜19日にボルドール24時間、そして11月7日に最終戦鈴鹿8耐・・・の予定でカレンダーを組んでいます。いずれのレースもタイトル争いには重要ですが、ルマンとボルドールの24時間レースは獲得できるポイントが多く設定されているので、この2つのレースでいかに多くのポイントを稼ぐかが、タイトルの行方を大きく左右することになります。

注目の予選は、ヤマハのオフィシャルチームのYARTがポールポジションを獲得。なおカレル・ハニカ、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパの3名を起用するYARTは、ポールポジションを獲得したことで貴重な5ポイントをゲットしています。

昨シーズン王者のSERT(スズキ エンデュランス レーシング チーム)は、今シーズンより日本のヨシムラとコラボして「ヨシムラSERT MOTUL」のチーム名で参戦。グレッグ・ブラック、ザビエル・シメオン、シルバン・ギュントーリにスズキGSX-R1000を託した予選は2位で、YARTとヨシムラSERT MOTULが速さ的には他を抜きん出ていることを印象付けました。

画像: 予選、ウォームアップセッションでも最速タイムを記録し、優勝候補にあげられたYARTでしたが・・・。 race.yamaha-motor.co.jp

予選、ウォームアップセッションでも最速タイムを記録し、優勝候補にあげられたYARTでしたが・・・。

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決勝はK.ハニカがスタートに出遅れYARTが15番手に沈むも、直後にターン1で発生したアクシデントによりレースは中断。セーフティーカーが去ってレース再開後はK.ハニカが順調にポジションを回復し、最初のスティントで1位にまで戻ることに成功します!

その後しばらくは、YARTとヨシムラSERT MOTULによる先頭争いが展開され、順位によってポイントが与えられる8時間経過時は、ヨシムラSERT MOTUL、YARTの順で1-2位。先頭争いに離されて昨年のルマン王者のF.C.C. TSR ホンダ フランスが3位というオーダーでした。

画像: 24 Heures Motos 2021 - Battle between #1 and #7 youtu.be

24 Heures Motos 2021 - Battle between #1 and #7

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YARTがリタイア! そしてF.C.C. TSR ホンダ フランスにもトラブルが!!

しかし10時間経過後、YARTのヤマハYZF-R1のエンジンにトラブルが発生。M.フリッツがピットまでマシンを運び、復旧を試みるも完全な状態に戻せないことが判明し、あえなく優勝候補の一角はリタイアを強いられました。

画像: この週末に速さを見せつけながらも、あえなくYARTのヤマハYZF-R1は戦線離脱することに・・・。 race.yamaha-motor.co.jp

この週末に速さを見せつけながらも、あえなくYARTのヤマハYZF-R1は戦線離脱することに・・・。

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YARTに4周差をつけられて3位を走っていたジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオ、高橋裕紀らを擁するF.C.C. TSR ホンダ フランスは、YART脱落で労せず2位に浮上。16時間経過時は、ヨシムラSERT MOTUL、F.C.C. TSR ホンダ フランスが1-2位でしたが、その後F.C.C. TSR ホンダ フランスは電気系統のトラブルでピット作業を強いられ10位に後退・・・。さらに、J.フックの転倒により13位までポジションをダウンしてしまいました。

画像: 前年度の全日本ST1000王者で、今年F.C.C. TSR ホンダ フランスのライダーとしてFIM EWCを戦う高橋裕紀。 honda.racing

前年度の全日本ST1000王者で、今年F.C.C. TSR ホンダ フランスのライダーとしてFIM EWCを戦う高橋裕紀。

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ヨシムラSERT MOTULの後ろで2位につけたのはWebike SRC カワサキ フランス トリックスターでしたが、19時間経過時にはヨシムラSERT MOTULは完璧な独走体制を構築。そして全855周のうち819周で先頭を守り抜いたヨシムラSERT MOTULが見事今年のルマンを制しました!

画像: 今シーズン開幕戦、ルマン24時間を制したヨシムラSERT MOTULは、合計60ポイントを獲得! 連覇に向けて、最高の結果を得たといえるでしょう。 www.suzuki-racing.com

今シーズン開幕戦、ルマン24時間を制したヨシムラSERT MOTULは、合計60ポイントを獲得! 連覇に向けて、最高の結果を得たといえるでしょう。

www.suzuki-racing.com

2位は8週遅れでWebike SRC カワサキ フランス トリックスター(ジェレミー・ガルノニ、エルワン・ニゴン、デビッド・チェカ)が入賞。3位には序盤の転倒で順位を落とすものの、着実にポジションを回復したBMW モトラッド ワールド エンデュランス チーム(マーカス・レイテルバーガー、イルヤ・ミハルチク、ハビエル・フォレス)でした。

なお、チーム・ボリガー・スウィツァランドは4位でゴールするも、その後の車検で燃料タンク容量の確認ができず失格というハプニングがあり、4位にはスーパーストッククラス優勝のナショナル・モトスが繰り上がりました。そのほかEWC有力チーム勢では、ヤマハ勢最上位がVRD イゴール エクスペリエンスが7位、ガス欠などで苦戦したERCエンデュランス ドゥカティが8位、そしてF.C.C. TSR ホンダ フランスが9位まで順位を回復させました。

画像: 中盤にスーパーストッククラスの首位に立ったナショナル・モトスのホンダCBR1000RR-R。夜間走行時間帯にケビン・トゥルーブが右腕の異常を訴えるというトラブルがありましたが、その後もステファン・エゲアとグイラーム・アンティガの2人が走り続け、見事総合4位でスーパーストッククラスの勝利チームとなりました。 honda.racing

中盤にスーパーストッククラスの首位に立ったナショナル・モトスのホンダCBR1000RR-R。夜間走行時間帯にケビン・トゥルーブが右腕の異常を訴えるというトラブルがありましたが、その後もステファン・エゲアとグイラーム・アンティガの2人が走り続け、見事総合4位でスーパーストッククラスの勝利チームとなりました。

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FIM EWC2021 ルマン24時間 決勝
1. 1 ヨシムラSERT MOTUL スズキ EWC 855周
2. 11 WEBIKE SRC カワサキ フランス トリックスター カワサキ EWC 847周
3. 37 BMW モトラッド ワールド エンデュランス チーム BMW EWC 842周
4. 55 ナショナル・モトス ホンダ SST 830周
5. 24 BMRT 3D MAXXESS NEVERS カワサキ SST 828周
6. 44 ノー リミッツ モーター チーム スズキ SST 827周

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