首位を走るF.クアルタラロ(ヤマハ)が、残り12周より急激にペースダウン!!
25周で競われたスペインGP決勝。1周目を終えての順位は好スタートを切ったJ.ミラー(ドゥカティ)を先頭にフランコ・モルビデリ(ヤマハ)、F.バニャイア(ドゥカティ)がトップ3を形成。ポールポジションスタートのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は、4位で前をうかがいます。
4周目までに先行する3台を抜いて首位に浮上したクアルタラロは、ラップレコードを更新するなど素晴らしい走りで2位以下とのリードを保ち、今シーズン3勝目へ視界良好なレース展開に持ち込みました。
しかし、残り12周でクアルタラロはアームパンプ(腕上がり)の痛みに襲われ始め、ペースダウンを強いられることになります・・・。追い上げるミラーに抜かれてからはみるみる内に順位を落とし、最終的には13位でフィニッシュするのがやっとでした。
奇しくもミラーは9位に終わった第2戦ドーハGP決勝終盤にアームパンプに襲われており、欧州ラウンドに入る前に右腕の手術を受けていました。ミラーは首位浮上後、2位のチームメイトであるバニャイアに対するリードを守り切り、見事今シーズン初優勝を記録しました!
ミラーにとって2021年スペインGPの勝利は、ホンダ・サテライトチーム(EG 0,0 Marc VDS)に所属していた2016年第8戦オランダGP以来の勝ち星です。ちなみにこのときのレースは決勝26周の予定でしたが大雨の影響で14周目に赤旗中断。12周で再開されたレースで得た勝利でした。
2018年以降ドゥカティライダーになって4シーズン目。ドライコンディションで全周回を走り切っての勝利の味は格別だったようで、レース後ミラーの目には光るものがありました・・・。
年間タイトル争いは、今年も混戦に?
今シーズン初表彰台となる3位の座を得たのは、F.モルビデリ(ヤマハ)。4位にはホンダ勢最上位、自身キャリアハイ・タイ記録となった中上貴晶。5位に前年度MotoGP王者のジョアン・ミル(スズキ)。6位は今シーズン奮闘ぶりが際立つアプリリアのアレイシ・エスパルガロでした。
復帰2戦目のマルク・マルケス(ホンダ)は9位でフィニッシュ。前戦ポルトガルGPの7位より順位こそ低いですが、首位とレースタイムの差が13秒台から10秒台に縮んでいることをM.マルケスは前向きに評価しているようです。そして今シーズン精彩を欠いているバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は17位。現地時間5月3日には同地ヘレスにてテストが行われるので、浮上のきっかけをつかむことを期待したいです。
第5戦フランスGPは5月16日決勝のスケジュールで行われます。現時点でランキング首位に立つF.バニャイアと8位F.モルビデリの差はまだ33ポイント・・・前年度に続き、今年度も多くのウィナーが誕生する混戦のシーズンになるのでしょうか? 次戦も熱いドラマを期待しましょう!
MotoGP2021 第4戦スペインGP 決勝
1 J.ミラー Ducati Lenovo Team Ducati 41:05.602
2 F.バニャイア Ducati Lenovo Team Ducati 1.912
3 F.モルビデリ Petronas Yamaha SRT Yamaha 2.516
4 中上貴晶 LCR Honda IDEMITSU Honda 3.206
5 J.ミル Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 4.256
6 A.エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 5.164
7 M.ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 5.651
8 J.ザルコ Pramac Racing Ducati 7.161
9 M.マルケス Repsol Honda Team Honda 10.494
10 P.エスパルガロ Repsol Honda Team Honda 11.77
MotoGP2021 ランキング ※5月2日現在
1 F.バニャイア Ducati 66
2 F.クアルタラロ Yamaha 64
3 M.ビニャーレス Yamaha 50
4 J.ミル Suzuki 49
5 J.ザルコ Ducati 48
6 J.ミラー Ducati 39