好調を維持するドゥカティ勢が躍動!
土曜日のフリープラクティスでは路面温度上昇などのコンディション悪化によりタイムを短縮するライダーがおらず、結局金曜日のフリープラクティス総合トップ10が予選Q2進出となり、11位以下がQ1からの予選スタートとなりました。
開幕戦の予選で輝いたのは、今シーズンからワークス昇格したフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)でした。金曜日FP総合2位、土曜のFP3でも2位タイムを記録したイタリアの若きライダーは、ロサイルの新しいラップレコードを予選で樹立! 2019年にMotoGPクラスデビューしたバニャイアにとっては、嬉しい初ポールポジションとなりました。
金曜日のFP総合首位のジャック・ミラーは、予選でソフトタイヤを試したときミスを犯したこともあってセカンドローの5番手に留まりましたが、土曜日の自身の走りに自信を深めたようです。またサテライトのドゥカティライダーであるヨハン・ザルコは、予選で6番手タイムを記録。彼はFP4で364.2 km/hの最高速を記録。MotoGPマシンによる最高速記録を更新したわけですが、今年もドゥカティデスモセディチのトップスピードの速さは健在ですね。
ヤマハワークスが揃ってフロントロー。ベテランのV.ロッシは4番グリッド獲得
F.バニャイアとともにフロントローを確保したのは、ヤマハワークスのファビオ・クアルタラロとマーベリック・ビニャーレスでした。バニャイアの52秒台には届かないものの、両名とも1分53秒0台のタイムをマーク。そしてサテライトのペトロナス ヤマハSRTに移籍したベテランのバレンティーノ・ロッシは、わずか0.026秒でフロントロー獲得は逃したものの、予選4番手のタイムを獲得しています。
ロッシの後・・・ミラー、ザルコに次ぐ7番手につけたのはフランコ・モルビデリ(ヤマハ)。ドゥカティとヤマハがトップ7を占めたことになりますが、金曜日から好パフォーマンスを発揮していたアプリリアのアレイシ・エスパルガロが気を吐き8番グリッドを獲得。そして9番手、10番手にはスズキ勢のアレックス・リンス、J.ミルがつけることになっています。
MotoGP2021 R1 カタールGP 予選
1 F.バニャイア Ducati Lenovo Team Ducati 1'52.772
2 F.クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1'53.038
3 M.ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1'53.088
4 V.ロッシ Petronas Yamaha SRT Yamaha 1'53.114
5 J.ミラー Ducati Lenovo Team Ducati 1'53.215
6 J.ザルコ Pramac Racing Ducati 1'53.286
7 F.モルビデリ Petronas Yamaha SRT Yamaha 1'53.313
8 A.エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1'53.315
9 A.リンス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'53.490
10 J.ミル Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'53.682
日曜日の決勝は、風による砂のコース侵入で荒れた展開になるのか?
絶対的エースであるマルク・マルケスを欠くホンダ勢は予選トップ10に食い込むことができず、1分53秒721を記録した11番手の中上貴晶が最上位でした。続く12番手には、ホンダ移籍初レースとなったポル・エスパルガロが入っています。
そのほかホンダ勢ではLCRに移籍したアレックス・マルケスが16番手。M.マルケスの代役のステファン・ブラドルが17番手。そしてホンダ同様に予選で振るわなかったKTM勢は、ミゲール・オリベイラの15番手が最上位でした。
カタールGPの決勝は現地時間20時からスタートし22周で競われることになりますが、すべてのチームが気にしているのは、日曜日の天気予報です。日曜日の決勝のころは、土曜日よりも気温が低くなるとともに強風が吹くという予報が出ているのです。
中東の砂漠に囲まれているのがロサイルのコースの特徴ですが、風によってコース上に砂が運ばれてくることになると、言うまでもなくトラックコンディションは悪化してしまいます。砂によってタイヤの摩耗が早くなることも予想されるので、各ライダー・チームはそのことを織り込んでレース戦略を立てないといけません。
もしかすると決勝は、荒れたサバイバルレース的な展開になるかもしれません。注目の開幕戦で、今年最初のウィナーに誰がなるのか・・・決戦の行方に注目しましょう!