過酷なダカールラリーで1度でもステージ優勝することは、偉業と讃えるに十分です。なお歴代の最多ステージ優勝記録は33勝で、これは2名のタイ記録です。そして歴代3位もタイ記録なのですが、3位記録の持ち主2人には"気になる"共通点があるのです・・・。

歴代1位はともにフランス人ライダーです!

2輪部門ステージ優勝記録が通算33勝!! に達している、映えある歴代1位記録保持者2名はともにフランス人です。まず1人はヤマハ・レジェンドであるため、日本人の間でも知名度の高いステファン・ペテランセルです。1988年から1998年の間、常にヤマハライダーとしてダカールラリーに挑んだぺテランセルは1991、1992、 1993、 1995、 1997、1998年と、6度の総合優勝に輝いています!

1991年、初の総合優勝を手にした大会で、ヤマハYZE750T(0WC5)を駆るS.ペテランセル。

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周知のとおりペテランセルは、1999年から4輪に転向してダカールラリーへの挑戦を継続。2004、2005、2007年には三菱で、2012、2013年はミニで、2016、2017年はプジョーで、7度も4輪部門の王者に輝いています! 2021年大会はジョン・クーパー・ワークス・バギーを駆り、ステージ6終了時点で総合首位に立っており、2輪・4輪通算14勝目を目指して戦ってます。

ペテランセルと同じく33勝を記録しているのは、2000〜2014年の間2輪部門に参戦し、2015年以降は4輪に転向したシリル・デプレです! デプレの2輪部門総合優勝5回(2005、2007、2010、2012、2013年)はいずれもKTM時代の記録で、ステージ優勝記録も主にKTM時代に積み上げたものですが、そのほかBMWで1回(2001年)、2輪時代最終年の2014年にヤマハで3勝を記録しています。

画像: フランスの英雄、C.デプレ。なお4輪部門ではステージ優勝2回記録しており、2017年には総合3位(プジョー)に入っています。 www.redbull.com

フランスの英雄、C.デプレ。なお4輪部門ではステージ優勝2回記録しており、2017年には総合3位(プジョー)に入っています。

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歴代3位記録保持者はともにスペイン人ですが、2人とも総合優勝はありません!?

ペテランセル、デプレに次ぐステージ優勝(27勝)は、ジョルディ・アルカロン(1988〜2011年)とホアン・バレダ(2011年〜)が記録しています! 今開催中の2021年大会にホンダライダーとして参戦しているバレダがステージ6終了時点でステージ優勝3回を積み上げ、同じスペインの英雄であるアルカロンの記録に並んだワケです。

カジバ、ヤマハ、そしてKTMのライダーとして長年ダカールラリーで活躍したアルカロンですが、残念ながら総合優勝の悲願をかなえることはできませんでした。1992、1993年は総合3位(それぞれカジバとヤマハ)、1994年と1995年は総合2位(カジバ)、KTMへ移籍した1996年も2位で、2001年にも2位・・・。ロードレースの世界に例えると、ランディ・マモラ、ダニ・ペドロサ、アンドレア・ドヴィツィオーゾみたいな、あと1歩届かなかった悲運の名手というところでしょうか?

画像: 1988年、ダカールラリーデビューとなった大会を走るJ.アルカロン(メルリン)。 www.pinterest.cl

1988年、ダカールラリーデビューとなった大会を走るJ.アルカロン(メルリン)。

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2016年からJ.アルカロン(左から4人目)は、ヤマハラリーチームのスタッフに加入。2021年の大会ではモンスターエナジーヤマハラリーチームのスポーツマネージャーとして、豊富な経験を活かしてライダー管理やナビゲーション戦略などをサポートしています。

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そして、偉大なアルカロンの記録を今大会で抜いて、ステージ優勝記録単独3位になれる可能性があるバレダですが、長い参戦歴を持つ彼もアルカロン同様にダカールラリー総合優勝を未だ果たしておりません・・・。

画像: 1983年生まれのJ.バレダ。2014年からホンダの一員としてダカールラリーを戦う彼は、前半戦終了時点で首位に6分25秒遅れの総合7位につけています。悲願の初優勝なるか? 注目しましょう! www.honda.co.jp

1983年生まれのJ.バレダ。2014年からホンダの一員としてダカールラリーを戦う彼は、前半戦終了時点で首位に6分25秒遅れの総合7位につけています。悲願の初優勝なるか? 注目しましょう!

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ハスクバーナ時代の2012〜2013年にステージ優勝5勝を記録し注目を集めたバレダは、2014年のダカールラリー以降はホンダファクトリーライダーとして参戦。2021年大会ステージ6まで、ホンダライダーとして多くのステージ優勝を積み上げてきました。しかし、総合での最高位は2017年の5位にとどまっています・・・。

言うまでもなくラリーは、ステージ優勝を最も積み上げた者が総合優勝になるわけではありません。いかにすべてのステージで安定して上位成績を残し、そして最終日にしっかりゴールラインを通過することが、総合優勝のための最低条件になります。ここまでステージ3勝と速さを披露するバレダが、悲願の総合優勝争いに最終日まで加われるか・・・後半戦の戦いに注目しましょう!

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