Lawrenceが独断と偏見? で選んだ、2020年の2輪業界にまつわる10大ニュース(順不同)。今回は世界で最も有名な2輪公道レース、マン島TT(ツーリストトロフィー)がCOVID-19感染拡大により中止になった話題をとりあげます。ところでみなさんは、2001年のマン島TTが中止になった原因が何だったか、覚えていますか?

過去にも戦争と疫病で、TTは何度か中断・中止されています・・・

2019年からジワジワと感染が拡大し、2020年に世界的パンデミックとなったCOVID-19。マン島に感染症を持ち込ませない・・・島民の健康が最優先・・・という考えから、2020年6月開催予定だった今年のマン島TTは、早くも3月半ばの時期に中止が決定されてしまいました。

1907年(明治40年)から・・・という長い歴史を持つマン島TTですが、その1世紀以上の歴史の中では、何度か開催が中断・中止されてきました。2度の中断の原因となったのは、2つの世界大戦でした。1915年から1919年は第一次世界大戦、そして1940年から1946年までは第二次世界大戦で、マン島TTは開催中断を余儀無くされました・・・。

第二次世界大戦後は、21世紀に入ってからの2001年にマン島TTは中止を強いられることになりました。その原因となったのは、家畜伝染病のひとつである「口蹄疫」でした。日本でも2010年に口蹄疫が流行し大きな被害が発生しましたが、英国では2001年に2,000例ほどの家畜の感染を確認。10月に収束するまで英国政府は、80億英ポンドほどを対策費に使ったと言われています。

マン島TTは毎年開催期間中に、万単位の人々が島との間を往復することになる人気イベントです。それら多くの人すべてを防疫管理することは事実上不可能・・・という判断から、2001年のマン島TTはキャンセルされることになったわけです。

2021年大会の中止も11月30日に発表・・・

2020年のマン島TT中止の報は多くのTTファンを悲しませましたが、悲報はそれだけではありませんでした・・・。11月30日には来年・・・2021年大会の中止が発表されることになったのです。

主催者たちは例年どおりの6月開催ではなく、それより遅い時期での開催も検討したそうですが、未だわからないことの多い感染症であるCOVID-19への対応を、憶測ですることの危うさを避けるために、結局早期の中止判断を下したわけです。この判断は主催者の、素晴らしい英断と言えるでしょう。

一方リアルロードレーシング(公道を使ったロードレース)ファンにたちにとって、嬉しいニュースも今年はありました。それは2021年の10月に英ポーツマスの南にあるワイト島で、新たに「ザ・ダイヤモンド・レース」というイベントが新たに開催されるという報でした。

ただ、最近のニュースでは英国で感染力が強まったウイルスの変異種が報告されており、2021年以降のいつ頃に英国でのパンデミックが収束するのかは依然先行きが不透明です・・・。12月8日から英国ではワクチンの摂取が開始されましたが、これらワクチンが人類とウイルスの戦いにおける"ゲームチェンジャー"となることを期待したいですね。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.