寒さとタイヤ選択が明暗を分けることに
近年は、例年ルマンで行われるフランスGPですが、昨年は5月開催だったのに対して今年は10月の開催となり、上位勢の予選順位を決めるQ2は気温17℃、路面温度26℃というかなり寒いコンディションで行われることになりました。
ルマンとは相性が良い・・・はずのヤマハファクトリーの2台、マーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、セッティングをまとめきれずそれぞれ5位と10位に止まりました。一方、サテライトのクアルタラロは初日から状態が良く、ルマンでは自身2度目、今シーズン3度目となるポールポジションを獲得! なおチームメイトのフランコ・モルビデリはタイムを上げることができず、11位まで沈んでしまいました・・・。
そして、タイトル争いのライバルたちは・・・?
寒さで予選の明暗が分かれたのは、ヤマハ勢4台だけではありませんでした。予選2位はジャック・ミラー、3位はダニロ・ペトルッチとドゥカティ勢が続き、4位には初日から好調のカル・クラッチロー(ホンダ)が入り、久々に予選上位の結果を残しています。
前出の予選5位のビニャーレスに、ランキング争いで次ぐ4位につけるアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)は予選5番手。そしてタイトル争いで両者の上に現状立っている、ランキング2位のジョアン・ミル(スズキ)はチームメイトのアレックス・リンスとともに最初の予選=Q1でそれぞれ4、6位に終わり、スズキワークス2台はQ2進出ならず・・・という不調ぶりでした。
今シーズンのMotoGPクラスのタイトル争いは、王者マルク・マルケス(ホンダ)の不在も大きく影響して、ランキング首位のクアルタラロと4位ドヴィツィオーゾの差が24点という接戦ぶりで経過しています。最終戦の第15戦ポルトガルGPまで、首位のクアルタラロはより多くポイントを獲得してライバルを離したいのは言うまでもないでしょう。
また最終戦まで混戦が続くと想定すると、ポイントが並んだときに勝利数で相手を上回れるルールから、どれだけクアルタラロが年間勝利数を増やせるかがタイトル争いの鍵になる可能性もあります。ホームGPでの勝利で弾みをつけて、クアルタラロがフランス人ライダー初の最高峰王者になれるか? を、10月11日(日)の決勝は占う一戦になるかもしれません! 決勝を楽しみに待ちましょう!
MotoGP2020 第10戦フランスGP 予選
1 F.クアルタラロ Petronas Yamaha SRT Yamaha 1'31.315
2 J.ミラー Pramac Racing Ducati 1'31.537
3 D.ペトルッチ Ducati Team Ducati 1'31.674
4 C.クラッチロー LCR Honda CASTROL Honda 1'31.686
5 M.ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1'31.719
6 A.ドヴィツィオーゾ Ducati Team Ducati 1'31.722