M.マルケス、猛烈な追い上げから大クラッシュ!!
2020年シーズン第2戦スペインGP(ヘレス)の決勝は、7月19日に行われました。前日の予選では、昨シーズンからメキメキ頭角をあらわしたファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が自己通算7度目、そして昨シーズンから継続して3戦連続となるポールポジションを獲得!2020年度も、彼の勢いがスゴイことを示しました!
2番手はヤマハワークスのマーベリック・ビニャーレス。3番手はディフェンディング王者で、今年もチャンピオン最有力候補のマルク・マルケス(ホンダ)。以下、フランチェスコ・バニャイア、ジャック・ミラーのドゥカティ・サテライト勢が4、5位に続き、グリッド6番手はカル・クラッチローがゲット。一方、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は11番手とふるわない予選タイムに終わりました・・・。
転倒で負傷したアレックス・リンス(スズキ)とカル・クラッチロー(ホンダ)を欠いた状態で迎えた決勝レース、ホールショットを奪ったのは2番手スタートのビニャーレス。しかしM.マルケスは3周目にビニャーレスに追いつき、そしてパッシングに成功。2位に下がったビニャーレスが、M.マルケスに食らいつく序盤の展開になりました。
そして5周目、最初の大事件!! が発生。首位のマルケスが第4コーナーでコースアウト!! 普通のライダーなら転倒必至のシチュエーションですが、マルケスは16位まで大幅に順位を落とすものの転倒することなくコースに復帰し、再び首位を目指して猛チャージをかけます!
首位争いは6周目から、ミラーをパスしたクアルタラロが首位ビニャーレスを追う展開になりました。そして9周目からはクアルタラロが首位に立ち、そのまま順位を落とすことなく25周目のチェッカーを受けることに! ついに、悲願のMotoGPクラス初優勝を達成した瞬間でした!
一方M.マルケスは、7周目12位、9周目11位、10周目10位、12周目9位、13周目8位、17周目6位と、怒涛のペースで着々と順位を回復! 19周目には4位、そして20周目にはついに3位まで浮上し、表彰台圏内までポジションを上げました!
しかし、22周目の3コーナーでM.マルケスはハイサイド! 大転倒を喫したことにより、右腕上腕を骨折という大怪我をしてしまいました・・・。21日はバルセロナ市内の病院で手術を受けることになりましたが、その復帰がいつになるかは現時点では不明です・・・。
1999年、レジス・ラコーニ以来となるフランス人ライダーのプレミアクラス勝利
クアルタラロの初優勝は、MotoGPクラスが始まって以来初のフランス人ライダーの勝利という、記念すべき出来事になります。なお最高峰クラスでのフランス人ライダーの勝利というと、500cc時代だったころの1999年、第12戦バレンシアGPでのレジス・ラコーニ以来となります・・・。
COVID-19感染拡大により開幕レースが遅れたことで、M.マルケスにとっては昨年手術した肩のリハビリに多くの時間がかけられたことは、タイトル防衛のプラス要素になると考える人は多かったでしょう。しかし今回のスペインGPでの骨折は、COVID-19感染拡大のため超過密日程となったMotoGPのスケジュールを考えると、M.マルケスにとっては大きなダメージになるかもしれません・・・。
ともあれ、次戦アンダルシアGPは同じヘレスでわずか1週間後に開催されます。クアルタラロの好調ぶりは続くのか? マシントラブルでリタイアに終わったロッシの復調はあるのか? そしてライバルたちの逆襲は・・・? 楽しみに待ちましょう!
MotoGP2020 R1 スペインGP 決勝
1 F.クアルタラロ Petronas Yamaha SRT Yamaha 41’23.796
2 M.ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha +4.603
3 A.ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati +5.946
4 J.ミラー Pramac Racing Ducati +6.668
5 F.モルビデリ Petronas Yamaha SRT Yamaha +6.844
6 P.エスパルガロ Red Bull KTM Factory Racing KTM +6.938