最古の米国のオフロードレースのひとつ、といえる「ミント400」は、2020年から「フーリガンクラス」という多気筒・重量級のストリートバイクをベースにしたマシンのクラスを導入しています。こちらのビデオは、その初のウィナーとなった、ドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッドの舞台裏を紹介するものです。

ダートトラックで人気のフーリガンクラスが、デザートレースにも波及!

1968年から開催されているミント400は、ネバダ州ラスベガスの郊外で開催されるアメリカの伝統のデザートレースのひとつです。

昨年度・・・2019年に開催されたミント400は169台のモーターサイクルが参加しましたが20のクラス分けの内、5台のハーレーダビッドソンが"ビンテージ・プリ-モダン"クラス(1981〜1990年の4ストローク車)に出場しています。そして今年の3月6日に開催された2020年度大会では、「フーリガンクラス」が新設されることになりました。

一般にオフロードレーシングの世界は、「最新型サイコー、型落ちで出る奴はゴミ!」的な価値観が蔓延していますが、ミント400はそんな価値観とは真逆に、2019年度の"ビンテージ・プリ-モダン"をより深化させる方向性で2020年度からフーリガンクラスを新設したと言えるでしょう。

そもそも"フーリガン" とは? これは "暴れ者" とか "粗暴" という言葉を意味する言葉ですが、近年アメリカを中心とするダートトラックシーンでは、ストリートバイクやチョッパーによる "余興的な参加型レースカテゴリー" の名称として、この分野への関心度が急速に高まっています。

ここ10数年の"カフェレーサー"や"カスタムバイク"人気を背景にした、ファッション的なバイクのクールさを追求する世界的ムーブメント・・・そしてファッション的といえど、やはり走らせてのバイクとライダーのパフォーマンスが大事だよね! という潮流がミックスされたのが、競技専用車以外のモータースポーツ人気に結びついていると言うことなのでしょう。

ファッショナブルだけど、ガチオフロード!

ミント400初のフーリガンクラスを制したのは、ドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッドに乗るジョーダン・グラハムで、後続に45分ほどの差を付ける圧勝でした! 彼の記録は80マイル≒128.7kmのループコースを、2時間4時間45分33秒で走り切ってきます!

画像: 砂漠を疾走するJ.グラハムとドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッド。 www.ducati.com

砂漠を疾走するJ.グラハムとドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッド。

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ドゥカティの北米ブランチは、オフロードブランドの"ファストハウス"と協力関係を築いており、J.グラハムはファストハウス代表のリッキー・ディアスとともに、高度にチューニングされたドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッドを駆りました。

画像: ファストハウスチームのドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッド。51番がR.ディアズ車。47番が優勝したJ.グラハム車です。なおマシンのチューニングを担当したのは、故カーリン・ダンとともにパイクスピークヒルクライムで数々の栄光を築き上げた「スパイダーグリップ」です。 www.ducati.com

ファストハウスチームのドゥカティ・スクランブラー・デザートスレッド。51番がR.ディアズ車。47番が優勝したJ.グラハム車です。なおマシンのチューニングを担当したのは、故カーリン・ダンとともにパイクスピークヒルクライムで数々の栄光を築き上げた「スパイダーグリップ」です。

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2位走行中にR.ディアスは、岩にヒットしたことによりシフターを破損して脱落・・・。その結果チームメイトのJ.グラハムは余裕で初のフーリガンクラス王者になったのですが、そういう成績的なことはさておき? 動画を見ていただければおわかりのとおり、ガチレースのミント400にも関わらず「スポ根」っぽさがないのが非常に印象的です。

21世紀に入ってから日本の2輪業界は「若者成分不足」に喘いでいますが、この動画にはその問題の「処方箋」となるような要素があるような気がしました。論より証拠? とても魅力的動画ですので、ぜひご覧になってみてください!

画像: Desert Sled – A Fasthouse film of The Mint 400 youtu.be

Desert Sled – A Fasthouse film of The Mint 400

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