スーパーカブ全世界総生産1億台突破記念作品「スーパーカブ」
ストーリー
両親なし、友達なし、趣味なし。何もない日々を送る女子高生・小熊。彼女はある日、ちょっとしたキッカケで中古のスーパーカブを手に入れるのですが、それは小熊の世界を輝かせる小さくて大きな変化となります。
「私には、何も無い。」
物語の主人公は、山梨県北杜市に住む女子高生・小熊(こぐま)。
第1話『ないないの女の子』では、小熊の母親が失踪してしまうところからはじまります。両親無し、友達無し、趣味無し…ひとりぼっちとなってしまった小熊の過去に一体何があったのか…!?
そんな小熊は、学校からひと山超えたアパートから自転車で登下校をしていました。夏のある日、坂道をひーひーいいながら坂道を上っていた横を一台のバイクが颯爽と横切ります。
その姿に「バイクがあればらくちん」と思い立つ小熊。さっそく街のバイク屋さんへ行ってみますが、女子高生にとって原付はかなりの高額商品です。はぁ…と、諦めて帰ろうとすると、店主が「中古でよければ1万円であるよ」と一台のバイクを出してくれました。
それは、なんと"人を3人殺した"という曰くつきのスーパーカブだったのです。
カブを見るや否や小熊の目は輝き、深い理由も聞かず即購入!唸るエンジン音と振動に心踊ります。このカブとの出会いが小熊の世界を大きく変えるきっかけとなったのでした。
両親無し、友達無し、趣味無し…ないないの女の子から「カブ、あり」の女の子へ大変身!
ストーリーのはじめと比べてなんだか表情も変わってきた…!?バイクを手に入れただけで、世界がキラキラして見える感動が伝わってきます。
これからどんなことが待ち受けているのか、小熊はワクワクで胸がいっぱいです!!
「同じカブ乗りと知り合えて嬉しいわ!」
念願のカブで通学をはじめた小熊。
まだまだ慣れないながらも、運転の練習やカブのメンテナンスに一生懸命です。
カブに乗りやすいようにと学生鞄からリュックにチェンジし、ニコニコしながらカブと向き合う……そんな姿が可愛いらしいですね!
バイクに乗っていると、周りの人になんだか見られているような…そんな感覚ありませんか? バイク乗りなら一度は感じるこの気持ち……自意識過剰⁉︎ いえいえ、絶対見られてます! だってかっこいいですもん♪
さて、バイク通学を続ける小熊のもとのに、成績優秀・スポーツ万能でなんでも持っていると噂されているクラスメイトの礼子が「カブを見せて」と話しかけてきました。
その雰囲気にちょっと苦手意識を抱いた小熊は、一度は礼子から逃れようとします。が、礼子が一枚上手です。
観念してカブを礼子に見せると……
予想外に小熊のカブに熱い眼差しを送る礼子。そう、礼子も小熊と同じカブ乗りだったのです!!
礼子のカブはホンダMD90の郵政カブ。同じカブなのによく見ると全然違う……いつの間にか礼子のカブに興味津々の小熊です。
はじめてカブを通じて友達ができた小熊。なにやら嬉しくてたまらない顔をしてますね!
スーパーカブ 第4話『礼子』より
礼子
「こうやってカブに乗っているとね
たとえ自分がどこにいてもどこまでも行けるっていうそんな気分を感じられるのよ」小熊
「…まだ遠くに行ったこと 無いから…」礼子
「どこまででも行けるわよ だってカブだもん」
カブならどこまでも行ける、そんな礼子の一言で小熊の寄り道が始まります!
「バカみたい」
礼子のおかげで小熊のカブもだんだんと進化しました。
フロントにカゴ、リアに荷物を入れるボックスを取り付け、自分のカブに愛着が湧いてきた小熊。さらにはオイル交換まで自分で挑戦すると決意します。女子高生ながらすごい行動力です。
徐々にバイク乗りとして何が必要なのか?が分かってきた小熊は、そのための資金作りにアルバイトを始めます。そんなある日、礼子から「家へ来ない?」とのお誘いがありました。
なにやら休み中はどこかへ出かけていた様子の礼子。聞けばなんと──
カブで富士山に登ってた!!
な、、なんてチャレンジャーなのでしょうか!? でもなぜ!?
カブも身体もボロボロになりながらも頂上を目指す礼子。思わぬハプニングにも見舞われたりして…
そんな話を聞いた小熊は一言「バカみたい」と言い放ちます。礼子のことを心配しながらも、私のカブなら登れてたと…。
これには礼子も大笑い!
ふたりはカブについて熱く語り合い、夏の夜が更けていくのでした──。