GWで遊び疲れてるあなた。早く仕事に行ってホッとしたい、ちょっと倒錯したあなた。
この名作に触れて、心の底から癒されてみませんか?集英社の別冊マーガレット2015年4月号〜2018年5月号に掲載され、全7巻が発売されている『町田くんの世界』。実写映画も2019年06月07日(金)公開予定とのことで、再び注目を浴びてる作品なんです。

一見優等生、でもそうでもない高校生 町田一(はじめ)の世界

本作の主人公町田一くんは高校2年生。メガネをかけたその姿は、ぱっと見はスマートで勉強のできる優等生なんですが、実際には成績はけっこう悪い(中の下くらい?)し、これはみたまんまかもしれませんが、ひどい運動音痴のうえに、料理をやらせてもITガジェットを触らせてもとにかく要領悪くて、いったいぜんたい得意なことってあるの?と突っ込みたくなるほど、不器用な少年。

だけど、実際には年齢も性別も問わず、周囲の人をメロメロにしてしまう人たらしなんです。彼と触れ合った人は、誰でも簡単に町田くんのことが好きになってしまいます。とは言っても町田くんにはあざとさが全然なくて、そうした不可思議な魅力はあくまで自然に発せられているもの。
それはなぜかというと、町田くんが人間のことが大好きで、誰に対しても平等に優しく、ちょっとした変化も敏感に気づいて、相手の心模様をそれとなく察することができるからなんです。しかも、察するだけでなく、これまたほんと自然に行動に及ぶことができるから始末に負えないw。

唯一、町田くんに問題があるといえば、そういう彼自身が持つ強烈な魅力というか、一種のカリスマに全く気づいていないこと。だからこそ彼は誰に対しても優しくできるけれど、自分に対する好意が、実は恋心だったりしても、全く気づけない。自分はモテない、と確信しちゃっているからです。

誰にでも優しい少年が、気づいてしまった本気の恋

そんな中、彼は過去の人間関係にひどく傷ついている1人の美少女 猪原奈々と知り合います。猪原さんに対してもいつもと同じ態度で臨む町田くんでしたが、その優しさは猪原さんの頑な心を融かし、やがて町田くんへの恋心を抱かせるに至りますが、なかなかそれに気づかない。気づかないながら、町田くん自身もやがて、猪原さんに恋するようになります。

自分が恋している。その自覚を持った瞬間、生まれて初めて町田くんは自然な”人たらし”の振る舞いができず、猪原さんに対して緊張してしまうのですが、その動揺の様子が実にほのぼのとして心洗われてしまいます。

我々はついつい、見知らぬ他者に対して刺々しい振る舞いを(実際の行動には出さずとも心の中では)してしまいがちですが、町田くんの世界を深く知ることで、それを反省し、周囲の人々に優しくあろうと思わせてくれる、とてもとても優しい作品です。
と、同時に、そういう優しい人間が、ちゃんと評価され、幸せでいられる、温かい世界を描いた作品です。

ぜひ連休中に読んで、新しい元号を迎えてのオフィスや学校で、出会う人一人一人に優しい気持ちで向き合いましょう。おすすめです。

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