伊藤嘉啓氏
バラードスポーツCR-Xとホンダをこよなく愛するカメラマン。ホンダだけではなく旧車にも滅法詳しい。そのため、ホンダ社内からも一目置かれる存在である。当然、写真も腕も一流だ。
そんな彼の愛車CR-Xのオドメーターはなんと68万5000kmを越え。これまで一体どこへ向かったのか、なぜそこまでCR-Xを愛するのか、そして今後の走行距離は何万kmに到達するのか…この連載【地球まで、もう少し。】を通してCR-Xの魅力とともに徐々に紐解いていく。
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フレーム修正をした後、いくつかの雑誌に載る機会があって、それを見た読者からCR-X要りませんか? って連絡を編集部経由でもらったんだ。さっそく、連絡をしてみると自宅から割と近所ということで、とりあえず現車を確認させてもらうことに。
このCR-Xは、今ボクが乗ってるのと同じカラーリングで、違いはサンルーフが着いていたところぐらいだったかな。程度もそんなに悪くなかったと思うけど、クラッチがスベリ気味だった。
当初は10万円チョットという価格が提示されたんだけど、交渉の結果クラッチ交換分の金額を値引いてもらって手に入れることになった。これが2号車の始まり。
この初代(!?)2号車は、見た目も中身もフルノーマルで、距離もそんなに走ってなかった。そんなある日、とある撮影現場に2号車を乗ってくと、取材対象車が多かったためか、数名の学生バイトがいた。聞けば、彼らは日大芸術学部の自動車部員らしい。ちょうど、自分のクルマを探してる最中だったようで、アレよアレよという間にハナシは進み、その2号車は彼らの元に嫁いでいったのだ。
その後、そのCR-Xは彼らの元からレーシングドライバー飯田章の手元に渡るが、今も彼が所有してるかは不明だ。 (注:現在、Motor Magazine誌編集長が確認中、とのこと)
そんな中やってきたのは、CR-Xではなくシビックだった
初代2号車を手放した直後、ボクの手元にやってきたのはCR-Xじゃなくて5代目のシビック、EG型ってヤツだ。しかも車体番号EG4-1000020という、元広報車の1500VTi。キャプティバブルーでABSとLSDがセットで装着されていた。
実はこの広報車、カーオブザイヤー対策用のチューニングが入念に施されてて、内装類を外すとすべての接触面には薄いスポンジが張られ、ビビり音の類は一切なかった。さらに、調子がイマイチなSiRよりも速く、足まわりも純正にしか見えないんだけど抜群に良かった。個人的には歴代シビックの中で、スタイル、走り、価格のバランスが取れていてナンバーワンだと思ってる。
しかしそんなEG型との蜜月も長くは続かなかった。現行のデカいシビックから比べると、天と地ほど以上にスタイリッシュでコンパクトなEG型だけど、CR-Xに比べると重くて長いホイールベースによる安定した走りは、イマイチ馴染めなかったのだ。結局このシビックは、当時付き合いのあった某編集部に譲り渡す結果となった。
シビックとのお別れ後やってきたのは、やはりCR-X
そしてその後、手元にやってきたのは、クォーツシルバーが美しいマイナーチェンジ後のCR-X。このCR-Xは、ここで『ホンダ偏愛主義』を執筆している河原サンが乗ってたモノ。増えすぎた愛車を整理することになったらしく、縁あってボクの元へとやってきた。
ノーマルルーフでホイールが無限CF-48の15インチ、マフラーがフジツボ製に変わってるくらいで、ヘンテコな改造はされてなかった。手元に来てから変えたのは、15インチのホイールを標準サイズの14インチに戻したコトくらい。河原サンが元色と同色でリペイントしてたこともあって、非常にキレイで結構気に入っていた。唯一の不満は、軽すぎるパワーステアリング位か……。
そんな2号車のハナシはまだ続く。