後の2輪史に多大な影響を与えたモデル
去る1月24日、ラスベガスにてボナムスのモーターサイクル・オークションが行われました。さまざまな注目のヴィンテージモデルがオークションにかけられたのが、そのなかでも多くの人の関心が集まったのが、マックイーンが所有していた1台のトライアンフでした。
それは1938年型のトライアンフ5Tスピードツインで、1970年代末にマックイーンのバイク仲間の1人、デイブ・イーキンスがレストアしたマシンでした。エドワード・ターナーの創造物であるスピートツインは、旧来主流だった2気筒車・・・Vツインよりも軽量・コンパクトな空冷4ストローク並列2気筒OHV500ccを搭載し、単気筒並みの軽快さが大きな特徴でした。
この5Tをベースに、高性能版のT100タイガー、そして排気量拡大版の6Tサンダーバードなどが誕生。第二次世界大戦後、若い兵隊たちの復員によりモーターサイクルがブームとなった当時のアメリカで、トライアンフツインはもっともスポーティなモーターサイクルとして、大人気となりました。
な・・・なんと、19,000,000円オーバーのハンマープライス!
映画「大脱走」のスタントシーンでも500ccのトライアンフツインが使われたことは有名ですが、プライベートでもマックイーンはトライアンフツインの大ファンでした。彼が集めたモーターサイクルのコレクションのなかには、何台ものトライアンフツインがありました・・・。
そんなコレクションのなかの1台である1938年型5Tスピードツイン・・・なんとその落札価格はエスティメート価格の2倍を超える$175,500 (約1,929万円)!!!!! 大スターの愛車、というプレミア性の高さゆえの高額落札なのでしょうが、フツーの5Tスピードツインにこの額を払う人は地球上にはもちろん皆無でしょう・・・。
ギターの世界では、エリック・クラプトンがちょっと弾いただけでそのギターのネダンが数千万円上がる!! という嘘か真か? なハナシがありますが、マックイーンのモーターサイクルってのも、それに近いハナシなのでしょう。やっぱり著名なスターのご威光ってのはスゴイな・・・とこのオークションリザルトから改めて思った次第です。