年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、天才パフォーマー フレディ・マーキュリーと共に世界を魅了し続ける伝説のバンド クイーンを描いた音楽映画『ボヘミアン・ラブソディ』。
配給会社である20世紀フォックスの定番のオープイングファンファーレを、クイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーが演奏していることでも話題になっている。

11月24日はフレディ・マーキュリーの命日。それがきっかけというわけでもないが(同時に多少今更ながら)『ボヘミアン・ラブソディ』を観てきました。

個人のセクシュアリティ(性的指向)にいまほどの自由がなかった時代に疾走した天才パフォーマー、フレディ・マーキュリーの自伝的映画

英国のロックバンド クイーンのリードボーカルにしてメインパフォーマーのフレディ・マーキュリー( 1946年9月5日-1991年11月24日)。有り余る才能に恵まれながらも、インド系である自分の出自からくるある種の差別と、バイセクシュアルである自身のセクシュアリティに対する世間の風当たりから、破滅的な行動を繰り返し、結果としてエイズを発症して45歳の若さでこの世を去る。その彼の短くも劇的な人生を描いた衝撃的な作品が『ボヘミアン・ラプソディ』。

21世紀の今とは違って有色人種やLGBTへの差別意識が強かった20世紀後半に活躍した彼は、アーティストとして類まれな大成功を果たしながらも、強い孤独感に苛まれる。やがてフレディはバンドからも離れソロ活動を開始すると同時に、夜毎のパーティーやドラッグに溺れ、自暴自棄な生活を送るのだった。
しかし、そんな自堕落な暮らしの代償にHIVに感染したことを知った彼は、本来自分があるべき姿に戻って最後の数年間を過ごすことを決意し、バンドメンバーに再度クイーンとして活動することを懇願する。数年にわたる確執を捨てたクイーンのメンバーとフレディは、1985年7月13日に行われた20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴエイド(LIVE AID)」に出演し、復活を果たすのだった。

最後のライブエイドにおける正味20分のライブシーンは本当に圧巻

何度か試写会にいくチャンスがありながら、上映時間の長さ(2時間 13分)に若干恐れをなして観る機会をフイにしていた。また、僕の音楽的志向の中であまりクイーンに対して思い入れがないこともあった。

しかし、実際に足を運んでみると、彼らの楽曲のほとんどを知っていたことに少なからず驚いた。つまりはそれだけクイーンの曲というのは日本人にとっても身近でさまざまなところで耳にする機会があった、ということだからだ。
そして、最後のライブエイドにおける正味20分のライブシーンは本当に圧巻。歌声自体は本当のフレディの声であり、俳優たちの演技はその歌声に合わせての”口パク”であるのだが、シンクロ具合は完璧で、完全に画面に見入ってしまった。
音楽映画は、プリンスの「パープルレイン」エミネムの「8マイル」ジェームズ・ブラウンを「ブラック・パンサー」のチャドウィック・ボーズマンが演じた「ジェームス・ブラウン ~最高の魂(ソウル)を持つ男」など、まあまあな数を観てきたが、それらの名作に勝るとも劣らない、素晴らしい一本であり、上映期間を逃すことなく映画館で観られたことは幸運だった、と言っておこう。

本作そのものとは関係ないが、クイーンのメンバーであるジョン・ディーコンを、「ソーシャル・ネットワーク」でFacebookの共同創業者ダスティン・モスコヴィッツを演じていたジョー・マゼロが演じていて、ちょっと嬉しくなった。
(知らなかったが、彼は「ジュラシック・パーク」(1993年)の幼い姉弟の弟役としても出演していたとのこと)

画像: 映画『ボヘミアン・ラプソディ』世界を変えた!TVスポット生き様編 youtu.be

映画『ボヘミアン・ラプソディ』世界を変えた!TVスポット生き様編

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