多くのクラシックホンダファンにとって憧れのマシンなのが1960年代のGPマシン、RC166/174などのホンダシックス=6気筒です。そんなRC6気筒を、イギリスの超有名カスタムビルダーのアレン・ミルヤードさんが、なんとあのマシン? をベースに作ってしまったのです!!

エンジンのベースとなったのは・・・なんと、ホンダではなくヤマハでした!

鬼才・・・ミルヤードさんの作品は過去ロレンスでも何度か紹介しましたが、彼の作風の特徴は既存のエンジンをベースに、ものすごいマルチシリンダー化をしてしまうところでしょう。

5気筒化(850cc)したカワサキH1、V8化されたカワサキZ1、V12化されたカワサキZ1300、ホンダSS50をVツイン化したSS100などなど・・・その技術力の高さにはびっくりするしかありません。

またダッジ・バイパーのV10・8リッターエンジンを搭載した500馬力!! のオリジナルバイクのミルヤード・バイパーV10とか、航空機エンジン(プラット&ホイットニーR-1340)のシリンダーなどを使った5,000cc!! のVツイン、ザ・フライング・ミルヤードなど・・・彼の創造力はとどまるところをしりません・・・。

そんな彼の最新作が、レジェンドライダーのマイク・ヘイルウッドが、1967年世界ロードレースGP350ccクラスで王者に輝いたときのマシンであるホンダRC174のレプリカである「RC374」です。

RC374という車名は、その排気量に由来するもので、もちろんRC174にかけたジョーク的な名前でもあります(なお、オリジナルのRC174は297ccです)。RC174のレプリカは、過去にレプリカビルダーとして著名なジョージ・ビールが作っていますが、ミルヤードの作品は今までの彼の作風どおりの、既存のエンジンをベースに超絶改造したものです。

画像: こちらは2017年に、RC374エンジンに初めて火が入ったときのシーンです。点火系は英ボイヤー製品を使用しています。当然、オリジナルのRC174は押しがけ始動ですが、RC374はセルスタートが可能になっています。 www.youtube.com

こちらは2017年に、RC374エンジンに初めて火が入ったときのシーンです。点火系は英ボイヤー製品を使用しています。当然、オリジナルのRC174は押しがけ始動ですが、RC374はセルスタートが可能になっています。

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ミルヤードさんがベースに選んだのは、ヤマハFZR250Rの水冷4ストロークDOHC4気筒でした。ホンダファン的にはなんでCBR250RRベースじゃないの・・・? と思うのでしょうが、まぁたまたまFZR250Rのエンジンを2機入手したとか、そういう理由だったりするのかもしれませんね?

ミルヤードさんは2017年7月から製作を開始し、クランクシャフトはオリジナル同様に組み立て式!! で、ミルヤードさんがスクラッチで1から作ったそうです。わずかなスペシャリストによる加工の手助け以外は、すべてミルヤードさんの作業場で製作されたものでした。

画像: Millyard 374cc six cylinder youtu.be

Millyard 374cc six cylinder

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画像: Millyard 374cc six cylinder engine First Start youtu.be

Millyard 374cc six cylinder engine First Start

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車体もすべてミルヤードさんが製作!

RC374は車体もオリジナルのRC174風に作られているのがスゴイです。さすがにダイヤモンド型フレームはオリジナルのようにテーパー管を使ったりはしてなさそうですが、雰囲気的には巧みにRC174を再現していると言えるでしょう。

画像: レブカウンターはオリジナルのRC174用のスミス製マグネット式メーター風ですが、中身は電気式ですね。 www.youtube.com

レブカウンターはオリジナルのRC174用のスミス製マグネット式メーター風ですが、中身は電気式ですね。

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エンジンベースのヤマハFZR250R同様冷却は水冷なのでラジエーターがつきますが、オリジナルのRC174と同じく貫通式のシフトシャフト(右・左どちらでもシフト操作が可能)、そして乾式クラッチになっているなど、こだわりを感じさせます。

画像: Millyard RC374 Six youtu.be

Millyard RC374 Six

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それでは!! 迫力のホンダシックスのサウンドをお楽しみください!

こちらの動画は、今年の4月に英国スタッフォードで行われた「第38回キャロル・ナッシュ・インターナショナル・クラシック・モーターサイクルショー」で公開された、RC374完成車の初エンジン始動の模様を収録したものです。

上で紹介したエンジン単体での始動では、RCレーサーの特徴であるメガホンマフラーが付いていなかったですが、この動画では6本のメガホンから奏でられる「ホンダミュージック」を堪能することができます! ・・・正確にはヤマハエンジンがベースなので、RC374の音は「ヤマハミュージック」ですかね(笑)。

画像: Allen Millyard - RC374 - First Ever Start Up - April 2018 youtu.be

Allen Millyard - RC374 - First Ever Start Up - April 2018

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これからも、ミルヤードさんが何を作るのか・・・その活動から目が離せないですね!

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