年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、時空や生死を超えて繋がる家族の愛を描いたピクサーの傑作アニメ『リメンバー・ミー』。

ストーリー

音楽のために家族を捨てた男。彼を恨み、音楽を憎み続ける一族は代々靴屋を営んできた。
そんな家族の中に生まれた少年ミゲルだったが、ギターを愛し、メキシコ史上最高と称される伝説のミュージシャン エルネスト・デラクルスを密かに敬愛し続けていた。

メキシコ伝統の死者の日の当日、ギターやデラクルスのビデオを隠し持っていたことを家族に知られたミゲルは、音楽家になる夢を訴えるが無下に退けられたうえギターを壊されたことに逆上し、家を飛び出る。

マリアッチ広場でその日行われるはずの音楽コンクールに出場し、夢を叶えようと考えるミゲルだったがギターがない。そこでミゲルはデラクルスの墓前に飾られた、彼のギターを借用しようとするのだが、その瞬間、ミゲルは死者の国へと紛れ込んでしまう。
慌てたミゲルは死者の国で暮らす先祖たちの力を借りて、生者の世界に戻ろうとするのだが、先祖たちもミゲルが音楽の道に進むことを認めてくれない。

ミゲルは偶然知り合った孤独な死者ヘクターとともに、ミュージシャンになる夢と死者の国からの脱出という、大冒険に挑むことになる・・・。

親子で観るべき、心温まる名作

本作の原題は「COCO(ココ)」。ミゲルの曽祖母の名前なのだが、なぜ彼女の名前がタイトルとなっているのかは映画の後半になればわかる。しかし、邦題の「リメンバー・ミー」も、ミゲルたち家族を結びつける重要な楽曲のタイトルであり、本作のエンディングを飾るテーマ曲だ。
ココという名前は本作の重要なキーワードとなるのだが、リメンバー・ミーもまた同じくらい重要な扱いを受けており、本作の邦題の付け方は理にかなったものだ。

死者の国はみなが骸骨であることを除けば、生者の世界と同じように笑いやエンターテインメント、華やかな彩で満ちており、哀しげな印象はない。しかし、死者の国に居続けるには、生者の世界で自分のことを覚え続けてくれる人がいることが条件となる。
そして死者の日(日本のお盆やハロウィンに似た風習)に、祭壇にお供え物とともに写真を飾ってもらえた者だけが、一日限りの里帰りを許される。(もちろん生者に死者が見えるわけではないが)

だから、本作の邦題であり、メインテーマ曲となる「リメンバー・ミー」は、自分のことを覚えておいてほしい、という先立つ者の切なる願いであると同時に、覚えていさえすれば魂は不滅であるということだ。本作は、たとえ死によって強制的に別れさせられたとしても、大切に思う気持ちさえあれば、家族はいつまでも家族。そんな当たり前のように思えて、案外難しい心持ちを丹念に描いた、とても良い作品だ。

同時に、家族と、それぞれが持つそれぞれの夢や大切な何か(ミゲルの場合は音楽)は、トレードオフするべきものではなく、両立させるべきもの、というのも本作のテーマだろう。

親子で本作を観たならば、子供は親を大切にしようと改めて思うだろうし、親は自分の意見を過度に押し付けるのではなく、子供の夢を応援しなければ、という気持ちになるだろう。

画像: 「リメンバー・ミー」MovieNEX 予告編 www.youtube.com

「リメンバー・ミー」MovieNEX 予告編

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