本日19:30、今年の"コカ・コーラ 鈴鹿8耐"の熱戦のフィナーレを迎えることになりました。10年ぶり復活のHRC、SBK(世界スーパーバイク選手権)3連覇王者J.レイを要するカワサキ チーム グリーンといった強力なライバルを相手に、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが見事同一チーム史上初の4連覇という偉業を成し遂げました!

最強最大のライバル、J.レイ(カワサキ)が予選で驚速を披露!

昨日28日(土)のトップ10トライアルは、台風12号の影響による各イベントスケジュール変更の影響を受けて、40分の予選方式で行われることになりました。このステージの主役となったのは、現在SBK3連覇中、そして今年4連覇に向けて邁進中のジョナサン・レイでした。

レイは2015年のトップ10トライアルでポル・エスパルガロ(当時ヤマハ)がマークした予選でのラップレコード2:06.000を更新する2:05.168をマーク! 25年ぶりのカワサキ勢の優勝を目指すチーム グリーンにポールポジションをプレゼントしました。

画像: ベストなセッティングではない状態、そして全力アタックではなかった・・・と語りつつも、余裕で予選首位を獲得したJ.レイ(カワサキ)。 www.fimewc.jp

ベストなセッティングではない状態、そして全力アタックではなかった・・・と語りつつも、余裕で予選首位を獲得したJ.レイ(カワサキ)。

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なお2位はHRCことRed Bull Honda with 日本郵便(高橋巧、中上貴晶、パトリック・ジェイコブセン)、3位はヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム(中須賀克行、アレックス・ローズ、マイケル・ファン・デル・マーク)という結果でした。

決勝はカワサキとヤマハの一騎打ちに、HRCが絡んでいく展開に・・・

台風通過後の11:30に予定どおりに決勝はスタートしました。ただ、スタート前から降り始めた雨によりコースはウェット状態に・・・。そんな序盤、レースをリードしたのは高橋巧(HRC)でした。続いてBSB(英国スーパーバイク選手権)で活躍し、来年はSBKでレイのチームメイトになることが決まっているレオン・ハスラム(カワサキ)、そしてマイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)が追うことになりますが、ある意味下馬評どおりのトップ3争いという展開です。

しかし、雨が止んで路面が乾きだしてからのタイヤ交換のタイミングを契機に、HRCはカワサキとヤマハにレースの主導権を手渡すことに・・・。まずファン・デル・マークがライダー交代せずに15周目にスリックタイヤに交換。続いてハスラムがレイにライダー交代するとともにスリックタイヤを装着。高橋巧は17周目にライダー交代せずにスリックタイヤへ交換をしますが、タイミングが遅かったためカワサキとヤマハに先行を許す結果になってしまいました・・・。

画像: www.fimewc.com
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20周目にJ.レイが首位に立ち、それをヨシムラ・スズキMOTULレーシングのシルバン・ギュントーリを抜いたファン・デル・マークが追う展開に・・・。ハスラムとローズにそれぞれライダー交代した後も、カワサキとヤマハの首位争いは僅差で繰り広げられました・・・。

レイ vs ファン・デル・マーク、ハスラム vs ローズ・・・一流のSBK、BSBライダー4名による接近戦はじつにスリリングなもので、この僅差を競うバトルが最後の最後まで続けば良いのに・・・と思わせるものがありました(8時間続いたら、見る者の身ももたないかも?)。

運命を分けたセーフティーカー介入時のトラブル!

66周目・・・ローズ、ハスラムが1-2争いをするなか、ヘアピンで転倒→炎上が発生し初のセーフティーカー=SCが介入されました。この出来事により、ヤマハとカワサキに離されていたHRCはギャップを縮めることに成功! そしてハスラムがレース再開後にローズをかわし、ヤマハから首位を奪還しました。

しかし、好事魔多し・・・。ハスラムからライダー交代したレイは、ローズから代わったファン・デル・マークとの差を広げることに成功しますが、なんとガス欠によりノロノロな速度でピットへ戻ることへ・・・。その間にヤマハが逆転し、さらにカワサキとの差を拡大することに成功しました。

ここまで気になることは・・・ヤマハは中須賀、カワサキは渡辺一馬と、ともに日本人ライダーを使うことなくスティントを消化していることです。中須賀は前日のフリー走行での転倒による怪我の影響を考慮して走らせず・・・そして渡辺はハイレベルなヤマハとの競合いを制するため、速さに勝るレイとハスラム2人を優先して使う・・・というそれぞれの戦略が見て取れました。

その後、1位ファン・デル・マーク、2位HRC、3位レイが走行しているときに、MuSASHi RTハルク・プロ.ホンダの水野涼の転倒が原因となるSCが介入しました。コースの長さにより2台のSCが入るのが鈴鹿8耐の特徴ですが、カワサキは不運にも1、2位とは別のSCの後ろに並ぶことになり、1、2位との差を不可抗力で広げられることになってしまいました。

そして、SC介入時に雨が降り出し、スティントを引っ張っていたHRCは初走行となるジェイコブセンにライダー交代するとともに、レインタイヤを装着。続いてヤマハもピットインしてレインタイヤに履き替えます。

両者を追うカワサキのレイもピット交代・・・の準備をするものの、なんと抜群の速さと安定感を見せていたレイがスプーンカーブで転倒!!!!!!! すぐにマシンを再始動させてピットに戻し、必死の作業で修復させますが、ここで予選〜決勝中盤までの主役だったカワサキは、結果的に優勝争いから大きく後退することになりました・・・。

画像: 驚異的な速さと、抜群の安定感で鈴鹿サーキットに集った人々を魅了していたJ.レイ(カワサキ)ですが、なんとセーフティーカー介入時のスロー走行中に転倒・・・。低速走行で冷えたスリックタイヤが、レイの予想よりもはるかにグリップ低下を引き起こしていたのでしょうか・・・。 www.fimewc.jp

驚異的な速さと、抜群の安定感で鈴鹿サーキットに集った人々を魅了していたJ.レイ(カワサキ)ですが、なんとセーフティーカー介入時のスロー走行中に転倒・・・。低速走行で冷えたスリックタイヤが、レイの予想よりもはるかにグリップ低下を引き起こしていたのでしょうか・・・。

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ヤマハ、HRC、カワサキの順で終盤戦へ・・・

SC介入やピットインタイミングにより、HRCはヤマハの前に出ることに成功しますが、レインタイヤでのペースが上がらないジェイコブセンを、あっさりと143周目にファン・デル・マークがパスして首位に立ちました。

画像: ピット戦略に活路を見出そうとしていたようなHRCでしたが、ヤマハ21号車、カワサキ11号車との純粋な速さの差は、誰の目にも明らかだったと言えるでしょう・・・。 www.fimewc.jp

ピット戦略に活路を見出そうとしていたようなHRCでしたが、ヤマハ21号車、カワサキ11号車との純粋な速さの差は、誰の目にも明らかだったと言えるでしょう・・・。

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上位3チームの最終スティントはローズ、中上、レイが担当しますが、結局この並びは変わることなくゴール・・・となりました。結構長い時間SCが介入したにもかかわらずの199周・・・これはいかに上位陣の走りが高度であったかの証左のひとつでしょうね・・・。

最後、2位とのマージンを築いた上で中須賀に交代し、史上初の個人としての鈴鹿8耐4連覇に花を添える・・・なんてことも想像しましたが、給油だけを済ませてそのままローズにチェッカーを受けさせるところに、当たり前でもある勝負の厳しさを改めて教わったような気がします。

それにしても・・・SBK絶対王者のJ.レイの速さに沸きに沸いた決勝中盤までの鈴鹿8耐でしたが、最後の最後で思い知ったのは3連覇を4連覇に伸ばしたヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの総合力のダントツの高さでした・・・。近年の鈴鹿8耐人気の復活は、今回のレースのようにハイレベルなチーム同士による激しいバトルが、再び堪能できるようになったことが一番の要因だと思います。

2位より2回多くピットインしながら大差をつけてのゴールは、2位に甘んじたHRCにとっては非常に屈辱だったのではないでしょうか? 今から来年のことを言うと鬼が笑いますが、SBKでKRTと契約更新したJ.レイには来年度の再挑戦を、そしてHRCには更なる戦力アップでリベンジを狙って欲しい・・・と思いました。

画像: 表彰台の中央で4連覇の喜びを噛みしめる、マイケル・ファン・デル・マーク(左から2人目)、アレックス・ローズ(同3人目)、中須賀克行(同4人目)。おめでとうございました! global.yamaha-motor.com

表彰台の中央で4連覇の喜びを噛みしめる、マイケル・ファン・デル・マーク(左から2人目)、アレックス・ローズ(同3人目)、中須賀克行(同4人目)。おめでとうございました!

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祝!!! 日本発のFIM EWC王者チーム誕生!

なお、日本のF.C.C. TSR ホンダ フランスと、フランスのGMT94ヤマハの2チームの争いに絞られていたFIM EWC(世界耐久選手権)の行方は、GMT94ヤマハの6位よりひとつ上の5位でフィニッシュしたF.C.C. TSR ホンダ フランスの勝利という結果になりました!

日本を本拠とするチームとして、これは初となる快挙です! 同じ日本人として、とても誇らしいことですね! またブリヂストンタイヤもFIM EWCタイトルを獲得するとともに、同社の鈴鹿8耐連勝記録を13にのばすことになりました。

日本最大のロードレースイベントが終わってしまったことでちょっと脱力状態になってしまいますが、参加ライダー・チームのそれぞれの戦いのステージはまだまだ続きますし、来年の第42回鈴鹿8耐はすでに始まっていると言えるでしょう。来年も今年に負けず劣らずの、アツイ戦いを期待しましょう!

第41回"コカ・コーラ 鈴鹿8耐" 決勝
1 21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha 199Laps
中須賀 克行/アレックス・ローズ/マイケル・ファン・デル・マーク
2 33 Red Bull Honda with 日本郵便 Honda 199Laps
高橋 巧/中上 貴晶/パトリック・ジェイコブセン
3 11 Kawasaki Team GREEN Kawasaki 198Laps
渡辺 一馬/レオン・ハスラム/ジョナサン・レイ
4 95 S-PULSE DREAM RACING・IAI Suzuki 196Laps
生形 秀之/トミー・ブライトウェル/渡辺 一樹
5 5 F.C.C.TSR Honda France Honda 196Laps
フレディ・フォーレイ/ジョシュ・フック/アラン・テシェ
6 94 GMT94 YAMAHA
マイク・ディ・メリオ/ニッコロ・カネパ/デビット・チェカ

画像: End of the Race Suzuka 8 Hours 2018 youtu.be

End of the Race Suzuka 8 Hours 2018

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