250アドベンチャーバイクの中でもトップクラスのオフロード性能を誇るCRF250 RALLYだからできること。それを探しに標高2360mの大弛峠へ。一杯のコーヒーを飲むために。

都会を抜けて、ちょっとだけ冒険へ

画像: 都会を抜けて、ちょっとだけ冒険へ

最近、話題性のある250ccアドベンチャーバイクの中でもトップのオフロード走破力を備えているのがCRF250ラリー。

このバイクはベースになるのがフルサイズトレールのCRF250Lで、フロントに21インチのブロックタイヤを履く本格派です。

ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

イメージはダカールラリーを走るCRF450 RALLY。こんなバイクに乗ったら、やっぱりちょっと冒険気分を味わいたくなるっていうものですよね。

画像1: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

そこで目指したのは山梨県にある日本最高所の車道峠『大弛峠』。この大弛峠は標高2360mで、車道峠としては日本最高標高ですから冒険気分も高まります。

今回はそこで、ちょっとコーヒーでも飲んでこよう。そう思って走り出しました。

画像2: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

高速道路上のCRF250ラリーはトップギア6速でも時速90キロ巡航くらいがいちばん快適でした。

スロットルを開ければ時速100kmでの巡航も余裕だったんですけど、90キロくらいのほうがエンジンにも余裕があるし、安定してまっすぐ走る。

先を急いでも仕方ない。そういう気分になるバイクです。

画像3: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

中央道に乗って100km強の距離を走り、勝沼インターで降ります。

高速道路は淡々と、のんびり一定速で走るキャラクターなので大型バイクに比べるとすこし時間はかかります。でも大型のウインドスクリーンのおかげで疲労感はほぼ無し。

高速を降りた後に「よし、これからが本番だ」 っていう余力を残すことができました。

画像4: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

若干、心配なのは山梨側に入ったら、途端に天候が怪しくなったこと。目指す方角の山が雲に飲まれています。

目的地は標高2360m。現地は雨かもしれませんが、もうここまで来ちゃったことだし、こういう時はダメ元でもとりあえず行ってみるのがライダーだと思っています。

画像5: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

ところでCRF250ラリーですが、このバイクは4速/5000rpmあたりを使って時速50キロで走っていることが非常に多いバイクです。

かなりのんびりした性格なんです。気がつくと後続車が後ろに詰まっていて、急ぐ理由もないから道を譲って、また景色を眺めてのんびり走る。

一般道メインの旅なら、これはすごく良いバイクですね。間違いありません。

画像6: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

そして峠へ上がる前に給油です。そしたらガソリンスタンドのおばちゃんが……

『これからツーリング? 桃、食べる? 堅~い桃』

って、桃をひとつくれました。有名な山梨の桃ですよ! 人の温かさが身に染みますね……こういうのがあるからバイクの旅ってやめられません。

標高2360mでコーヒーを飲む目標に、桃が追加。

俄然やる気が出てきました!

画像7: ベース車両のCRF250Lはこんなバイクです

人里を離れて、県道210号線を大弛峠へ向かって駆け上がります。

道は細くなり、見通しも悪い。でもCRF250ラリーはこういう道では強いです。時速40キロ前後が扱いやすいし、粘り強い。

純粋なロードスポーツだったら楽しめない道でも、楽しいと感じられるんです。

プチ冒険のはじまり

画像1: プチ冒険のはじまり

山を上がっていくと乙女湖(琴川ダム)へたどり着きます。標高1500mにある静かなダム湖でひと休み。

画像2: プチ冒険のはじまり

ところで乙女湖では、何故か丸太が無料で配付されています。

みんな、理由はどうあれ丸太が欲しい時は乙女湖へ行ってくれ!

さて、ここから先でこそ、CRF250ラリーが本領発揮の予定です。

この先は舗装林道の『川上牧丘林道』になります。

画像3: プチ冒険のはじまり

乙女湖から5分で川上牧丘林道の入り口。雲がすぐ頭上に迫ってきています……でもCRF250ラリーだと引き返そうっていう気持ちになりません。

むしろ「大丈夫だろ?」って自然に思えてくる。すごく心強い。

このときは、標高2360mまで上がれば、きっと雲も突き抜けちゃうだろうって思ってました。こういう発想を持てるバイクなんです。

画像4: プチ冒険のはじまり

予想通り、あっさり雲に飲まれました。路面はウェットコンディションに変化。

でもオフロードタイヤっていうのは、こういう時に安心感があります。

仮に滑ってもオンロードタイヤみたいにツルッと突然滑りませんからね。路面が濡れていても荒れていても、まるで不安を感じません。

むしろ楽しい(笑)

画像5: プチ冒険のはじまり

剥き出しの岩がワイルドでCRF250ラリーに似合いすぎ!

冒険能力、高いです。実感しています。

川上牧丘林道は普通に路面にコケが生えたりしていて、ロードスポーツなら絶対に楽しくないのでおすすめしません。

でも、このバイクなら来たほうがいい。最高です!

画像6: プチ冒険のはじまり

道は細いし荒れていたけど、穏やかな特性のハンドリングのおかげで、まったく危険を感じることなく大弛峠まで到着。CRF250ラリーは、かなり実力派ですね。

この峠自体は単に駐車場があるだけです。展望も良くない。でもボクのお気に入りスポットはここからちょっとだけ歩いたところにあるんです。

画像7: プチ冒険のはじまり

ライディングウェアを脱いで軽装にチェンジしました。大弛峠からほんの10分だけの登山。

国師ケ岳に向かう登山道を上がった先にあるのがこちら

画像8: プチ冒険のはじまり

巨大な花崗岩がひしめく『夢の庭園』という名の自然庭園です。

ここは登山ルートから若干外れたところにあるスポットなので、立ち寄る人が少ないんですよ。

画像9: プチ冒険のはじまり

ちなみに登山道も大半はしっかりした木道が整備されていますから、ツーリングブーツでも充分に歩けます。

画像10: プチ冒険のはじまり

夢の庭園へ至る道はこんな感じ。

そして、夢の庭園で待つ景色は……

画像11: プチ冒険のはじまり

絶景! 峠から歩いて10分で、この景色はだいたい独占できます。

そして雲を突き抜けて晴れ間も出てきました。

すかさず!

画像12: プチ冒険のはじまり

お湯を沸かします。コーヒーはドリップコーヒーで充分です。軽いし、最近はこういうのもかなり美味しくなりました。

本来はコーヒーとカロリーメイトくらいの予定でしたが、今日は『山梨の桃』がある。

画像13: プチ冒険のはじまり

標高2360mの雲海とコーヒーと名産の桃。なんという贅沢!

もぎたてのまだ堅い桃が甘酸っぱくて、疲れを忘れさせてくれます。

この時ばかりは本当にCRF250ラリーって最高のバイクだって思いました。

こういう体験が気軽にできるんですからね!

《後編へ続きます》

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