年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
スター・ウォーズのスピンオフシリーズ第二作目となる『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を早速観てきました。

愛すべき悪党ハン・ソロの若かりし日の冒険譚

本作は本当に異色のスター・ウォーズだ。なぜならジェダイもいないしシスもいない。フォースそのものが出てこないし、スター・ウォーズファンには最も有名なあの台詞「May the force be with you(フォースと共にあれ)」が一切出てこない!

それもそのはず、主人公はスター・ウォーズシリーズの第1作目にしてルーク・スカイウォーカーを主人公とするオリジナル三部作の第1章『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年公開)に登場する宇宙海賊(というより盗賊)ハン・ソロだからだ(ハリソン・フォードを世に出した作品でありはまり役とも言える)。本作では、彼がどういう経緯で宇宙の船乗りになり、相棒のウーキー(猿人)チューバッカと出会ったかを語るという筋立てとなっているのである。

ルークと共に惑星タトゥイーンからの脱出を試みるジェダイの生き残りオビ=ワン・ケノービを助けることになったハンとチューバッカは、愛船ミレニアム・ファルコン号に二人を乗せる。
そのとき、ハンははっきりと言う。「銀河の隅々まで行ったがフォースなんていう魔法じみたものは見たことがない」「フォースもジェダイもまやかしだ」と。

過去に見たことがないと本人が言っている以上、本作においても出すわけにはいかない。というわけで、本作は過去初めて全くフォースもライトセーバーも出てこない異色のスター・ウォーズとなったのである。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』以来のスピンオフの致命的欠点とは・・

あらすじはこうだ。

故郷の星コレリアで奴隷のような生活を強いられていたハンと恋人のキーラは、必死の覚悟で逃亡を企てるが、キーラは捕まり、ハンだけが脱出に成功する。
いつか自分の船を持ってパイロット ハン・ソロとしてキーラを助けにいくことを心に誓ったハンは、船を買うために略奪団の仲間になる。その過程で仲間となったウーキーのチューバッカと共に、度胸と野生の勘だけを頼りに生粋の悪党たちと渡り歩くが・・・、というもの。

結局のところ『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と比べると、戦いに身を投じる大義名分はなく相当に個人的な想いでしかない。だから悲壮感もないし、かつハン・ソロがルークたちに出会う前に死ぬわけはないから、実に安心して観ていられるという、アクション映画にはなかなかに”致命的な”欠点がある。

また、ルークに出会った時のハン・ソロは(ハリソン・フォードは当時すでに40歳を過ぎていたが)おそらく30代後半の設定と思われるが、本作では20代後半、とみえる。最後にルークたちと出会う惑星タトゥイーンに向かうらしき伏線があるが、少し時系列的に早すぎるというか合ってない気もするのだ。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はエピソード4に直接つながるエピソードであり、それを観る側も認識しているから自然に話を受け入れられるが、本作においてはこのあたりの具体的な本シリーズとの接点を見出しづらいところが弱み、と言えるのではないか。

本作はスター・ウォーズの第1作(時系列で言うと4番目、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』、以下エピソード4)の直前の時間設定である。エピソード4では、帝国軍の最終兵器"デス・スター"(巨大な衛星型宇宙船であり、惑星を破壊する武装を持つ)の脅威に晒された反乱軍が、デス・スターの設計図を入手することで反撃に出るところが描かれているが、その設計図を決死の挑戦で手に入れた勇士達こそが本作の主人公達”ローグ・ワン”である。

ただ、一途に恋人を想う純粋な若者が、その想いゆえにならず者になっていくさまや、相棒のチューバッカとの間で急速に育まれていく強い友情と絆、そして賭け事に負けてミレニアム・ファルコン号をハンに奪われることになる悪党のランド・カルリジアン(過去のシリーズにおいてもハン・ソロとの因縁が語られている)との出会い、あるいはハンの愛銃が彼の手に渡った経緯なども自然な形で織り込まれていて、ハン・ソロファンにとっては納得のいく作品であると思う。

それにそもそもSFアクション映画としては第1級の映像と脚本で、スター・ウォーズと切り離して考えば相当にクオリティが高い一本であることは間違い無いので、むしろスター・ウォーズを観たことがない人と一緒に楽しめばいいのかもしれない。

繰り返すが第1級のSFアクション映画だから安心して観るべし

結局のところ、一番観て欲しいというか安心して観てもらえる観客ターゲットは、スター・ウォーズシリーズをそれほど観ていなくて、しかもハン・ソロをうっすら知っている人。ないしオリジナル三部作(エピソード4・5・6)を観ているけれど、新シリーズ(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8)』)を観ていない人、と言うことになると思う。

かっこいいハン・ソロを知っていて、そのハンがいかにして生まれたかを知るという目的や、爽快なアクション映画を期待するならこの映画は◎だ。
逆に、新シリーズだけを観て、老いたハンの末路だけを知っているとすれば、なんとなく釈然としないかもしれない。他(次)のスピンオフにつなげようとする伏線や過去の作品へのオマージュが邪魔をするかもしれないからである。

ただ、繰り返しになるが、本作は正しいアクション映画として、見終わってスカッとする楽しさを持つ第1級のエンターテインメントだ。実際、公開二日目となる本日観てきたわけだが映画館は満員だった。

画像: 「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」日本版予告 www.youtube.com

「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」日本版予告

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